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 国内のデータベース市場は、価格下落を案件数でカバーし、緩やかな成長を続けそうだ。焦点はハイエンド市場を巡るマイクロソフトと日本オラクルの攻防。処理性能や信頼性、堅牢性という基本性能に加え、BI(ビジネスインテリジェンス)に代表される付加機能でも、製品間の競争が激しくなる。



 Widowsと商用UNIX、Linuxのオープンシステム向けデータベース(DB)ソフト市場は、価格競争の影響を受けながら、かろうじてプラス成長を維持する。本誌の取材では、主要メーカーの出荷額合計は2005年度(2006年3月期)で859億円と、2004年度の821億円から4.6%伸びる見通しである。

 出荷額が伸びるのは、価格の下落を補う勢いで、案件数が増えるためだ。日本IBMインフォメーション・マネジメント事業部の渡邉宗行事業部長は「メインフレームからの移行商談などが好調で、Windows向けはもとより、AIX向け出荷額も増やせた」と証言する。

 中小規模向けに低価格化を推し進めた日本オラクルは「特に、商談規模で5000万円以下に相当する案件が3割伸びた」(三澤智光執行役員)と語る。けん引役が、プロセッサ数を1つに限定し、2004年4月の改訂で最低価格が10万円を切った「Standard Edition One」。ユーザー数に制限がないプロセッサライセンス版も60万円台と従来の3分の1以下だ。

 ただ、価格戦略が大胆だっただけに値下げ分のカバーまでに至らなかった。オラクルが決算で公表した直近の予想では、2005年5月期の出荷額は前年度比1.8%減の366億円。特に第4四半期(2005年3~5月期)は前年同期比約7%減に落ち込む見通し。このため、2005年度(2006年3月期)で見ても出荷額はマイナスにとどまりそうだ。

UNIXに代わりLinux向けが急増


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図1●主なWindows向けデータベースソフトの出荷実績と予測

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図2●主なUNIX/Linux向けデータベースソフトの出荷実績と予測
 OS別では、Windows向けが2005年度に前年度比9.1%増の475億円に増える(図1)。マイクロソフトが「年率の伸びは約2割で、今年度も勢いを持続している」(深瀬正人エグゼクティブプロダクトマネージャ)ため、市場をけん引する。価格下落幅が大きい商用UNIX/Linux向けは、ほぼ横ばいの384億円になる見通しだ(図2)。

 ただ、商用UNIX/Linux向けのうち、Linux向けは伸びが目覚ましい。「2005年5月期は前年度比で倍増しており、出荷額の1割に達する」とオラクルの三澤執行役員は指摘する。特に、クラスターシステム向けのOracle RAC(Real Application Clusters)は、Linux向けが3割を占めるまで急増した。

 Linux向けの商用DBが伸びる一方で、「MySQL」や「PostgreSQL」などのオープンソースのDBソフトは、まだ存在感が薄い。

 PostgreSQLをベースにツールやサポートを付加したDB製品「PowerGres」を販売するSRAは、2004年度の出荷額が2億円。ネットベンチャーなどを顧客に順調に伸びたというが、勢いはまだ弱い。SRAの石井達夫OSSビジネスプロジェクト長は「ソリューションプロバイダは、どこで儲けるかにまだ迷いがあるようだ」と、勢いがつかない原因を指摘する。

(玄 忠雄)