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 SAPジャパンの中小企業市場攻略が、“初めの一歩”を踏み出した。「ようやく中小企業にSAP Business Oneへの認知が広がってきた」と、同社の関谷泰朗顧問は胸をなで下ろす。

 関谷顧問によれば、7月初めに開催された同社のイベントSAPPHIREでは、Business One目当てのユーザーが数多く来場した。「R/3のPlatinumパートナー向けブースの2.5倍の面積を、Business One専用パビリオンに充てた。SAPPHIRE会場の中で一番盛況だったのではないか」(同)。

 パートナー企業も増えた。実は2004年6月にBusiness Oneを発表した直後から最近まで、同社への引き合いの大部分は、パートナー志望のソリューションプロバイダからのものだった。現在1次代理店が24社、2次代理店は100社強になっている。昨年のSAPPHIREで行ったBusiness Oneパートナーのお披露目では、「拝み倒してやっと13社そろえた」(同)状況だった。

「R/3とは違う」とのアピールも


図●Business Oneパートナーの利益確保に向けたSAPジャパンの施策
 大企業向けで大成功を収めた「SAP」のブランド力は、Business Oneの商談でも追い風になるはずだ。だが、パートナー戦略となると話は別だ。今回SAPジャパンはBusiness One向けに、R/3ビジネスとは異なる新ルールをいくつか打ち出している([拡大表示])。「低価格、短納期を要求される中小企業向けのビジネスで、利益確保に関するパートナーの不安を払拭するため」(関谷顧問)という。

 1つはSAP提供のSDK(ソフトウエア開発キット)で開発したアドオンソフトの扱いだ。R/3ではアドオンソフトの著作権はSAPジャパンに帰属する。これはR/3のビジネスが始まった当初、パートナーの大きな不満の種になった。これをBusiness Oneでは全面的に改め、著作権は開発元に帰属することとした。これにより、アドオンソフトの品ぞろえを充実させ、短期間で稼働できる案件を増やす。

 もう1つは保守料金の扱いだ。Business Oneユーザー向けの1次サポートはパートナー、2次サポートはSAPジャパンが担当するが、パートナーに対しては保守料金の一部(ライセンス料金の10%程度と言われる)を還元する。Business Oneの保守料金はライセンス料の17%内外。6割近くがパートナーの取り分になるわけだ。

 SAPジャパンが今神経をとがらせているのは、Business Oneの納期だ。「R/3ビジネスの初期には、追加開発が膨らむ失敗が多かった。この失敗をBusiness Oneで再現したくない」(関谷顧問)からだ。Business Oneの場合、稼働まで3カ月かかれば相当長い部類であり、要チェックという。場合によっては、SAPジャパン自らが、「まずは機能を最低限に絞って稼働させ、その後段階的に機能を追加する」といったアドバイスを行う考えだ。

(佐竹 三江)