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小さい頃から野球一筋で、中学生の時はALL JAPANのメンバーとしてメキシコに遠征したこともある與良。野球で培ったガッツあふれる営業活動が見込まれ、年々仕事の中身がハードになってきている。中でも顕著なのが、担当企業に既存顧客が減ったこと。昨年は数社あった既存顧客の担当が、今年は1社のみ。売上目標達成には、前年を大きく上回る新規顧客の獲得が必要だ。月に1社の新規獲得を掲げ、営業に飛び回っている。
新規顧客獲得の武器は、顧客の新しいビジネスモデルを自ら考え、提案することだ。例えば最近は、ある機器メーカーに、仕入先との取引方法を変革する仕組みを提案、見事受注した。「顧客が考えたビジネスモデルを実現する案件の方が多い。だがそれだけでは、価格競争に陥ってしまう。SRAならではのアイデアを提案して、顧客にとって魅力のあるパートナーになりたい」と與良。自ら販売士の資格を取ったのも、流通業のビジネスを知り、提案に生かすためだ。
なにごとにも動じないのも、與良の強みだ。ある案件で納期に問題が生じ、顧客に提案書を再提出しに行ったときのこと。その顧客は怒り出し、「こんなのはありえない」と書類を放り投げた。だが與良は、そこでメゲない。黙って書類を拾い上げ、「今ご説明したのは…」となにごともなかったかのように説明を続けたのである。
もちろん、いい加減な提案でゴリ押ししようとしたわけではない。「きちんと説明して分かってもらう必要がある」という思いの表れだ。そんな腹の据わった與良の姿勢が、顧客を引き付ける。納期の延長をなんとか納得してくれたその顧客とは、今もよい関係を築いている。與良は「『お前は体育会系だから』とよく言われていますけど」と笑う。
そんな與良の鞄の中には、風邪薬やウコンといった、薬やサプリメント類がたくさんある。「毎朝さわやかな顔で顧客に接するため、調子が悪くなる前に飲む」という。野球で鍛えた体も、入念なケアが欠かせないようだ。
與良 剛(よら ごう)氏 |