セキュリティのアプライアンス(特定用途)サーバーを開発・販売する米ウォッチガードは2002年上半期,競合他社に比べ好調に売り上げを伸ばしたという。ジェームス・ケイディCEO(最高経営責任者)兼プレジデントに,同社の販売戦略を聞いた。骨子は以下の通り。

◆当社の最大の強みは,企業規模によって大きく異なるセキュリティ管理ニーズを想定した製品開発にある。最適なセキュリティ・ソフト群を選び,ソフト間連携や簡易設定などを改良している。最近,同業他社が伸び悩んでいるが「同じ提案ですべての企業ニーズに答える」という彼らの戦略に無理があるからだ。

◆販売パートナへの支援も強力だ。パートナ各社と時間を掛けて販売戦略を作る。パートナや顧客向けのトレーニングを数多く用意するほか,顧客やパートナを集めたセミナーや,より気軽にセキュリティについて話し合えるランチ・ミーティングなどを常に開催している。そこで得られる販売パートナや顧客企業からの要望や懸念材料は,当社の製品開発にとって不可欠な情報であり,競合他社よりはるかに投資している。

◆今後の課題は,複雑になるセキュリティを簡単な方法で管理できる製品を提供していくことだ。大企業向け製品も投入し,すべての企業規模をカバーできるようになったが,運用方法の開発では,中堅・中小企業向け市場に取り組んできたノウハウが生きてくる。(佐竹)