「ユーザーが直接、提案を求めてくる」「顧客が担っていた、または他社を含めたプロジェクト・マネジメントを任させる」。こうした信頼を得ているシステム・プロバイダは、売上高を伸ばしていることを、情報サービス産業協会(JISA)が5月9日に発表した「情報サービス産業白書2003年版」が指摘した。

 情報サービス産業白書はJISA会員であるシステム・プロバイダへの調査結果を踏まえて、IT(情報技術)サービス産業のこれからを占うためにまとめられたもの。今回、2003年度に前年度以上の売上高を見込む「売上高成長群」と、横ばいか減少見込みとした「売上高停滞群」とで、ユーザーとの関係を聞いたところ、企画段階で「ユーザーから直接、提案を求められるようになった」とした企業は、成長群が50%だったのに対し、停滞群は37.1%だった。「大手ベンダーやコンサルティング会社と一緒に共同提案することになった」という企業も成長群の26.4%に対し、停滞群は15.4%にとどまった。

 開発段階では「従来の顧客領域までプロジェクト・マネジメントを任されることが多くなった」とする企業が成長群の59.0%に対し、停滞群は51.0%。「他ベンダーを含めたプロジェクト・マネジメントを任されることが多くなった」とする企業は成長群の39.0%に対し、停滞群は17.3%と半減する。

 こうした結果は、システム・プロバイダが自らの付加価値でユーザー企業と直接に取り引きしたり、交渉力を持てるだけの立場に立てなければ売り上げを拡大できないことを示したといえる。白書は、これからのITサービス事業者は「ユーザーの『選択と集中』に対応していかなければならない。(中略)ユーザーのパートナとして潜在的なICTニーズを具現化し、ユーザーのビジネスを支援していく機能が求められている」としている。(志度)