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 SAPジャパンは9月4日、同社のERP(統合基幹業務システム)ソフトR/3 Enterpriseをベースにした中堅企業向けパッケージ製品「mySAP ERP」の発売を発表、同日出荷を開始した。機能を減らすことによってライセンス価格を引き下げ、中堅企業が導入しやすくする。

 mySAP ERPは、SAP R/3 Enterpriseの会計・人事・販売などの基幹業務アプリケーションに加え、EIP(企業情報ポータル)やEAI(エンタープライズアプリケーション統合)などを備える同社のアプリケーション統合ミドルウエア「SAP NetWeaver」、意思決定ツールの「SAP SEM」などから構成されている。これまでの製品・ライセンス体系である「mySAP Business Suite」には、mySAP ERPの機能に加え、SCM(サプライチェーン管理)やCRM(カスタマリレーションシップ管理)といったアプリケーションも付属しているため、SCMやCRMを必要としない顧客には割高感があった。

 mySAP ERPでは、SCMやCRMなどのソリューションを除いており、「まずはERPを導入したい中堅企業の要求に応えた」(玉木一郎バイスプレジデントマーケティング本部長兼ソリューション本部長)。mySAP ERPのライセンス価格は、ユーザー当たり76万8000円と、mySAP Business Suiteに比べて約2割安くなっている。CRMやSCMなどを追加購入できるほか、mySAP Business Suiteの契約にアップグレードすることも可能。

 SAPジャパンは今年2月、ハードや導入サービスをセットにした中堅企業向けの定額導入パッケージ「mySAP All-in-One」を発表するなど、中堅企業市場の開拓に力を入れている。mySAP ERPでライセンス価格を引き下げることによって、市場開拓を加速させる。SAPジャパンは、今後、mySAP ERPをベースにしたAll-in Oneソリューションをパートナー企業と共同で提供していく。

 mySAP ERPの導入に合わせ、SAPジャパンは中堅企業向けビジネスを専門に担当するSMB事業部を9月1日付けで開設した。同事業部は、SAPジャパンの営業部門を統括する関谷泰朗副社長が陣頭指揮を執り、「業種別のコンサルタントや営業部隊、パートナー企業のパワーを結集して、中堅企業市場を開拓する」(関谷副社長)と意気込む。mySAP ERPの投入をテコに、全売上高に占める中堅企業向けの売り上げ比率を現在の約5%から3年後には20%程度まで高める計画。

 もっとも、All-in-Oneの発売を発表しても「定額の導入パッケージを用意して、割安感を出そうとしているが、中堅企業にとってSAPのソリューションは相変わらず高価だ」(あるソリューションプロバイダの幹部)という声は依然として消えない。今回のライセンスの値下げで、SAPジャパンの思惑通り中堅企業市場を攻略できるのかは未知数だ。

森重 和春=日経ソリューションビジネス