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 米インテルがソリューションプロバイダとの協業を強化している。これまでUNIXが幅を利かせてきたエンタープライズ市場に、WindowsやLinuxを搭載するIA(インテルアーキテクチャ)ベースのソリューションを拡販するためだ。セールス&マーケティング事業本部副社長兼ソリューション市場開発事業部ディレクタのデボラ・コンラッド氏に、国内での市場開拓の戦略などを聞いた。要旨は以下の通り。

◆インテル製品の拡販は、ソフトウエアベンダーやシステムインテグレータ、ディストリビュータなど、市場に直接ソリューションを提供しているパートナーに依存する部分が大きい。彼らにインテルの製品を使いたいと思ってもらうためには、単にアプリケーションが動作するだけでなく、ソリューションプロバイダが利益を得られるビジネスモデルが必要だ。そのために当社は、より低いコストで利用できる標準化されたソリューションをパートナーと協力して作っていく。

◆ソリューションプロバイダが顧客に導入したソリューションを基に標準化した「ソリューションブループリント」の開拓に力を入れている。インテルのエンジニアがソリューションの最適化などで協力するほか、ユーザー企業への横展開のため、セミナーなどの販促活動でも協力する。日本でも、ソリューションブループリントを横展開する事例がすでに数多くある。電通国際情報サービスと開発した証券取引システムなど、金融や製造業といった様々な業種向けに、ブループリントの数はすでに二ケタを超えている。

◆業種ごとに有力ユーザーとの直接の関係を作り、新たな市場を開拓していく。インテルは業種別の専門組織を持つ。ワールドワイドで数100人、日本でも数十人がユーザー企業、官公庁のCIO(最高情報責任者)やCEO(最高技術責任者)にIAベースのソリューションを売り込んでいる。日本で特に力を注いでいるのは、製造業、金融、行政・教育などの公的機関の3業種だ。

◆直近の3四半期連続で、IAサーバーの出荷は過去最高記録を更新している。64ビットプロセッサのItanium2も、まだ新しい製品だが、出荷は急増している。これは、インテルのテクノロジがエンタープライズの市場に急速に浸透していることの表れだ。

森重 和春=日経ソリューションビジネス