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 伊藤忠テクノサイエンス(CTC)はこのほど、債権が回収不能になるリスクを算出できる金融機関向け信用リスク計量化システムを開発した。現在、商品化に向けて準備を進めており、今年前半をめどに、主に信用金庫などに売り込む予定。

 同システムは、CTCが王子信用金庫(東京都北区、大前孝治理事長)用に独自開発したもので、2003年11月から稼働を開始している。ストレス倍率法と呼ばれる高速計算を実現する計算方法を採用したことで、短時間で信用リスクを分析できる。また、理論貸出利率や投資回収率なども算出できるので、営業支店や経営企画部門などでの業務にも活用できる。

 信用リスク計量化システムは、既に都市銀行や地方銀行では導入されているが、価格や実用性などの理由から信用金庫ではあまり導入されていない。CTCはこの点に着目し、今後は信用金庫でも安定した経営を維持するためにも、同システムの需要が増えると見ている。今回開発した信用リスク計量化システムのパッケージの価格を約1000万円と既存製品の約3分の1程度に設定するなど容易に導入できる点を強調し、信用金庫からの受注を増やす。

中井 奨=日経ソリューションビジネス