ベリングポイント(東京都千代田区、秋田芳樹社長)が、中国の開発拠点に日本企業向け専用のオフショア開発グループを開設するなど、開発サービスの強化を急いでいる。米ベリングポイントのリチャード・カーニー シニアバイスプレジデントに、最新のサービス実績や日本企業向けソリューションの新戦略などを聞いた。

◆米国を中心に、セキュリティについて相談を受けることは相変わらず多い。ウイルス対策といった局所的な問題でなく、企業の経営活動の継続性を守る、という広い意味のセキュリティだ。例えば、2001年9月11日のテロのような例では、職場に行けない社員のために執務場所を確保する、といったサービスも必要になる。このテロで倒産した企業では、テロの直後ではなく1年程経った後に破綻したケースが多い。こうしたことが起こらないために、人がしっかり働けるようにするサービスを継続的に提供するのが当社のスタンスだ。

◆データ変換サービスのニーズも非常に高い。これは当社の得意分野の1つだ。最近の事例では、オーストラリアの金融監督庁(APRA)向けに開発したサービスがある。財務データの標準規格であるXBRL(拡張ビジネスレポーティング言語)を使って、金融機関の財務報告業務を大幅に簡素化した。金融機関が報告データをAPRAのサイトに送信すると、APRAの担当者はいつでも必要なフォーマットで必要な部分を引き出せるようになる。

◆日本で第2号の導入事例を出すべく、APRAで得たノウハウを日本の金融業界にも売り込んでいる。APRAでのプロジェクトを熟知した金融のエキスパートが日本で活動を開始している。金融以外の分野でも、例えば米国の企業改革法のように、規制当局が企業の監視を強化しようとしている国は多く、ニーズは今後広がるだろう。

◆こうした分野では、業種特化型の社員と技術特化型の社員が必要に応じて柔軟にチームを編成する当社のやり方が有効だ。過去に当社がいろんな業界で蓄積したノウハウが生きるからだ。例えばAPRAでは、ユーザーのビジネスを熟知している金融業界のエキスパートのほか、通信業界で経験を積んだエンジニアが活躍した。具体的にはデータベースのアーキテクチャやデータモデルを設計してもらった。

◆IT予算は全体として頭打ちになる傾向は続きそうだが、しかし最近2年に限れば、当社の顧客企業が新しいプロジェクトに割り振るIT予算は毎月増加する傾向にある。ただし以前のような全社IT部門による中央集権的な予算執行ではなく、事業部門のCIOが執行権を握るケースが増えてきた。こうした状況でも、当社の体制が強みになるはずだ。アジア地域では特に、当社をコンサルティング専業と思うユーザーが多いようだが、当社はシステムインテグレーションもやっているし、戦略立案からシステムの運用サポートまで提供できるので、最後まで「逃げる」ことはない。

佐竹 三江=日経ソリューションビジネス