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 米RSAセキュリティが、病院や保険会社など、ヘルスケア業界の情報セキュリティ事業に力を入れている。RSAセキュリティのインダストリ・アナリスト、ローラ・ロビンソン氏に、日米の市場動向や事業戦略などを聞いた。要旨は以下の通り。

◆米国のヘルスケア業界は、100床以上の医療機関が3万を超え、約1000社の保険会社などからなる米国で最大の産業の1つだ。現在この業界のIT市場規模は250億ドル、2003年から2007年に年間成長率5.5%で拡大するという予測もある。RSAセキュリティにとっても、売り上げの約10%を占める重要な市場になっている。

◆ヘルスケア業界のCIO(最高情報責任者)にとって、現在最大の関心事はセキュリティだ。米国では、患者に関する情報の保護基準への適合は法律で義務化されている。情報漏えい事件や、大規模な訴訟が実際に起こったことなどからも、セキュリティは不可欠という意識が浸透し、投資は加速している。

◆具体的には、当社のワンタイムパスワード製品RSA SecureIDを使った認証システムや、アクセスコントロール製品RSA ClearTrustを使ったシングル・サインオン・システム、情報へのアクセス状況を監視、報告するシステムなどの導入事例が増えている。これらのシステムを利用することによって、セキュリティを高めると同時に、ユーザー数が増えて複雑になる認証のコストを削減することもできる。

◆最近では、BtoBの分野におけるニーズも高まっている。医療機関は、他の病院や保険会社とも連携して情報を提供するようになっており、異なる組織間で、情報へのアクセスを統合管理することが求められている。当社は、セキュリティ情報の標準記述言語であるSAML(セキュリティ・アサーション・マークアップ言語)1.1に対応する製品FIM(Federated Identity Management Module)を提供しており、組織間連携のニーズに対応していく。

◆日本のヘルスケア業界のIT投資が米国に比べて遅れているのは、医師がインターネットを使って情報を共有するメリットをそれほど理解していなかったからだ。日本でも今後はITの活用が急速に進むはずで、ヘルスケア業界に強いシステムインテグレータをパートナーとして開拓するなどして、販売を強化していく。

◆ワールドワイドの情報セキュリティの市場は、IT市場の成長の2倍を超える勢いで伸びていると言われている。当社はワールドワイドで、2004年に前年比20%増の売り上げを目指している。日本法人も同等の伸びを目指している。

森重 和春=日経ソリューションビジネス