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 開発ツールベンダーのボーランドは、システムの機能要件を管理するソフトBorland CaliberRM6.5日本語版を6月29日に出荷する。欧米では過去数年間で数千社が導入済みだが、日本では初投入になる。米ボーランド・ソフトウェア・コーポレーションのパット・カーパンCTO(最高技術責任者)に新製品投入の狙いやターゲットなどを聞いた。

◆当社はこれまで、高品質のコードを迅速に書くためのツールを提供してきたが、CaliberRMのターゲットはビジネス上の要求をシステムに反映する要件定義工程だ。システムへの要求を継続的に収集し、システム要件に反映する作業を簡単な手順でできるようにする。日本の開発プロジェクトの成功率は3割弱と聞いているが、実は他の国もそう変わらない。そして原因の大半は要件定義にある。日本ではアプリケーション・ライフサイクル・マネジメントへの関心が高まっているほか、オフショア開発も増えており、機は熟したと判断した。

◆失敗の本質はエンドユーザーの要求とシステム要件とのかい離にある。エンドユーザーの要求は常に変わるものであり、ある時点の要求を基に定義した要件を完璧に満たすプログラムを作っても、エンドユーザーがそれを受け取った時点で、すでに要件は変わっている。しかし、要件の変化を継続的に管理し関係者で共有できれば、この要件とシステムの“時差”はかなり縮められる。実際、米国では新システムの開発期間やコストが10分の1になった例もある。

◆CaliberRMが管理する要件データには、様々な立場の人間がアクセスし、要求を更新している。プロジェクトに関係するIT部門やエンドユーザー、システムインテグレータ以外に、新規ビジネス開発の担当者がシステム化の参考にアクセスするといった例もある。より多くの人間がアクセスできるようにしたい、というユーザーの要望を受けて、2003年6月にCaliberRMの機能を強化した。今では350人のユーザーが100万件の要件に同時アクセスできる。

◆CaliberRMは開発者に道具を提供すると同時に、開発組織に対し、製造業で言う工場に相当する環境を提供する。こうした製造インフラがあれば、変更の要求が来たときでも、短時間でシステム全体への影響を把握でき、コストやリスクを示せる。IT部門やソフト開発業の仕事に対する「理解不能」といった不信感は薄れるはずだ。逆に、IT部門が6カ月~1年半も待った揚げ句に、古い要件を反映したプログラムを受け取るだけという状況が続けば、経営の要求に応えられない存在と見なされることになる。ソフト開発が産業として成立することは難しいだろう。

佐竹 三江=日経ソリューションビジネス

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