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 マイクロソフトはベンチャー企業や人材の育成面で、北海道のIT産業振興に協力する。北海道は沖縄県などと共に、Linuxなどのオープンソースを軸にしたIT産業振興で地方自治体の先頭を走っており、マイクロソフトとしては自治体のこうした動きにくさびを打ち込む形になる。

 今回の協力のうちベンチャー企業の育成では、独創的な事業を持つ道内の企業に対して、マイクロソフトがソフトやサポート、トレーニングなどを無償提供し、ビジネスモデル構築やマーケティング面でも支援する。対象企業の選考は、北海道と札幌市、北海道ソフトウェア技術開発機構(札幌市、岩井滉社長)で組織する「フロンティアベンチャー育成プロジェクト実行委員会」が行う。5社程度を対象にする。

 一方、人材の育成では、道立高等技術専門学院と北海道障害者職業能力開発校の計12校を対象に、マイクロソフトのIT教育カリキュラムを授業に組み込み、MCAなどマイクロソフトの認定資格が取れるようにする。また、指導員に対しても認定資格に対応するIT研修を実施する。

 6月29日の共同発表会では、東京都内と札幌市内の会場を回線で結び、東京会場には来日中のスティーブ・バルマーCEO(最高経営責任者)などマイクロソフト側が、札幌会場には高橋はるみ知事などが出席し、タブレットPCを使った遠隔地間での覚書調印も披露した。席上、バルマーCEOは「北海道の市民に貢献するプロジェクトに参加する機会を与えられたことに感謝する」など「感謝、感謝」を連発し、北海道との協力関係を構築できたことへの喜びを満面に表した。

 北海道は前知事時代から、電子自治体市場をオープンソースの実需として提供するなど、オープンソースを使った地場IT産業の育成を目指してきた。高橋知事自身も、オープンソースの普及を推進する経済産業省の出身。“宗旨替え”とも受け取れる今回の発表だが、高橋知事は「オープンソースによるIT産業育成はこれからも推進する。ただITは多様化が進んでおり、(オープンソースとWindowsの)どちらか一方だけではIT産業の振興は考えにくくなっている。IT産業振興を戦略的に進める上で、マイクロソフトとのコラボレーションは大きなメリットがある」と説明する。

木村 岳史=日経ソリューションビジネス

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