日立製作所は9月末、大規模向けディスクアレイ装置「SANRISE Universal Storage Platform(SANRISE USP)」の出荷を開始する。最大の特徴は、複数ベンダーのストレージ製品を一元管理できる仮想化機能を、ディスクアレイ装置自体に搭載した点。単独では約332テラバイト、外部ストレージと接続した場合は最大32ペタバイト分のストレージ装置群を仮想化できるようになる。
この機能により、システムの稼働中でも他のストレージ装置からSANRISE USPに直接データを移行できるようになる。「サーバーの負荷を心配せずに済む。各種のデータを最も適切な場所に格納するデータライフサイクルマネジメントの普及に弾みがつくはず」(古川一夫執行役専務 情報・通信グループ長&CEO)。
商談の現場では「既存のストレージ装置と混在させたまま、USPで全体を仮想化できることを訴える」(小菅稔情報・通信グループRAIDシステム事業部長)ことで、競合ベンダーの製品のリプレースを加速する考え。最大のターゲットは最近、ハイエンドからミッドレンジにかけて販売を伸ばしている日本IBMのESS(エンタープライズ・ストレージ・サーバー)という。
日立は大型ストレージの世界シェアで3割近くを握りトップだが、ミッドレンジ製品では5位。ミッドレンジでのシェア向上がストレージ事業の課題だ。2004年度の売り上げ見込みは2900億円、2005年度には3200億円を売り上げる計画だ。
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