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 NECは12月2日、グループのソフトサービス事業の再編・強化戦略を発表した。2005年6月に、NECソフトとNECシステムテクノロジーの2社を、株式公開買い付けによって完全子会社化する。2社をNECのビジネスユニットの1つに位置付け、人材の再配置を含め、SI/サービス事業、ソフト開発事業の全体最適を図る。2005年10月には2社を中心に、新しいSIサービス子会社、ソフト開発子会社を立ち上げて体制を再編する。

 SI/サービス分野では、NECソフトを中心に約700人のSEをNECに移し、大規模プロジェクトへの対応を強化する。NECソフトは、関連会社である全国のNECソフトウェア各社と一体となって、中堅企業向けや地域市場向けSI/サービス事業の強化するほか、建設業向けなど得意領域を担っていく。「従来NECから子会社に構築や開発を発注する縦の関係を、事業分野ごとの分担を明確にした水平分業の体制に変えていくことが狙い」(NECの金杉明信社長)。

 ソフト開発分野では、NECシステムテクノロジーから、基盤ソフト開発要員の一部をNECに移し、NECのオープンミッションクリティカル分野、ミドルウエア分野などの基盤ソフト開発力を強化する。NECシステムテクノロジーは、従来のIT領域に加え、ITと通信の融合領域、車載器、家電向けなどデバイスへの組み込み分野のソフト開発力強化を目指す。2005年10月には、NECシステムテクノロジーとNEC通信システムを母体に、ソフト開発子会社を立ち上げていく計画。

 NECは今回の体制強化による効果として、完全子会社化による少数株主損益の取り込みで純利益約30億円増、協力会社の集約やプロジェクト管理力強化、ソフト開発力効果による費用削減効果で、営業利益約150億円増を見込む。さらに、再編による顧客対応力効果などで、中期的に1000億円規模の売上増を見込んでいる。

 NECソフトは2000年7月に、NECシステムテクノロジーは2003年9月に、それぞれ東証一部に上場した。NECシステムテクノロジーの上場からは、わずか1年あまりでの上場廃止の決断となる。金杉社長は、「携帯電話事業の減速をIT・ネットワークソリューションがカバーできず、今期の決算予想は約700億円の下方修正となった。1年前の段階では、これだけの環境変化を予想できなかった。事業再編による全体最適で変化を乗り越えるために、100%子会社化が必要と判断した」と話す。保守サポートを手掛けるNECフィールディングや、半導体事業を手掛けるNECエレクトロニクスについては、NECと事業領域が重複していないことから、今後も上場を維持していく考えを示した。

森重 和春=日経ソリューションビジネス

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