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 「企業はシステムに対して,コスト削減や業務効率化といった“守り”の効果ではなく,売り上げ拡大や社会環境の変化に対処できるといった付加価値,“攻め”の効果を求めるようになってきた」。「NET&COM 2005」で,次世代ITソリューションをテーマにしたパネル・ディスカッションに参加したNEC,日本IBM,日立製作所,富士通の首脳は,このような共通した認識を示した(写真)。

 冒頭のコメントは,この5年間におけるIT業界の変化として4社がそれぞれ語ったものだ。期せずして同じ内容になったのは,業界に明らかな変化が出てきている証左であろう。日本IBMの内永ゆか子取締役専務執行役員 開発製造担当は,「2000年当時は日本経済が厳しく,企業は守りに入らざる得なかった。だが,景気が上向いてきたことと,企業間の競争が激化してきたことで,企業は攻めの姿勢に変わった」と見る。

 また4社は今後,力を入れていく技術や事業分野についても言及。そこで共通して挙がった項目は,「実践に基づいたシステム提案」と「セキュリティ分野」である。前者は,最新技術を活用したシステムを,自社で実際に試してからユーザー企業に提案する,というやり方を増やすことを意味する。

 NECは昨年,営業担当者やSE約400人が入居するブロードバンドソリューションセンターを開設し,IP電話や電子会議システム,文書管理システムなどを実際の業務を通じて検証した。同社の渕上岩雄取締役常務 システムサービスビジネスユニット(システム開発部門)担当は,「今年度は,検証する業務アプリケーションを増やしたり,検証活動に参加する事業所を増やすなどいっそう強化していく」と語った。

 富士通の平田宏通経営執行役 共通技術本部長も続けて,「(東京・蒲田にある)ソリューションスクエアで4500人のSEがIP電話やセキュリティの実践的な検証をしている」とアピールした。

 セキュリティ分野については,4月に個人情報保護法が完全施行されることもあり,各社とも強化する姿勢を打ち出した。日立の古川一夫執行役専務 情報・通信グループ長&CEO(最高経営責任者)は,「システムが便利になればなるほど,セキュリティの問題も大きくなる」とし,法規制だけに留まらない問題を指摘した。

(鈴木 孝知=日経ソリューションビジネス)