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 日本ピープルソフトが、オラクルと統合後の日本市場での製品ロードマップを明らかにした。今年1月に米オラクルが発表した方針に基づくもので、今後も既存製品のサポートや機能強化を継続し、旧ピープルソフト製品や旧J.D.エドワーズ製品の新規販売も積極的に行っていくことを改めて強調した。

 この方針に沿って、日本ピープルソフトは19日、中堅・中小企業向けのERP(統合基幹業務システム)製品の新版、「JD Edwards EnterpriseOne 8.11」の出荷を開始した。今年第3四半期には、同製品を推奨するハードウエアと組み合わせ、導入サービスなどをセットにした短期導入パッケージ「JD Edwards EnterpriseOne Rapid Start 8.11」を、2005年6月には人事管理システムの新版「PeopleSoft Enterprise HCM 8.9」を出荷する。

 オラクルとピープルソフトの統合は、既に米国、英国では完了し、アジアパシフィック地域でも、26カ所のオフィスのうち、6カ所のオフィスを統合した。日本法人は、現在日本オラクルと日本ピープルソフトの統合に向け、公正取引委員会の承認プロセスにあり、その結果を待って、統合を進めるという。米オラクルでアジアパシフィック地域のビジネスを統括するエグゼクティブ・バイス・プレジデントのデレク・ウイリアムズ氏は「両者の統合は“Better Together”のキーワードに沿って進めていく。統合によってマーケットや技術をリードしていく」と語った。

 米オラクルは、現行のPeopleSoft Enterprise(旧ピープルソフト製品)、JD Edwards EnterpriseOne、JD Edwards World(旧J.D.エドワーズ製品)のサポートを少なくとも2013年まで継続するとしており、PeopleSoft EnterpriseとJD Edwards EnterpriseOneは、2006年に次期バージョンも提供する。

 また「Project Fusion」のプロジェクト名で、オラクルのE-Business SuiteとPeopleSoft Enterprise、JD Edwards EnterpriseOneの3製品を統合した新製品を開発中だ。2006年から順次個別のアプリケーション製品を出荷し、2008年にはスイート製品として提供する。ウイリアムズ氏は「統合後、ピープルソフトの社員のうち、開発、サポートの要員の90%を維持した」と強調した。Project Fusionの開発には、オラクルから5000人、ピープルソフトから3000人を投入している。

 Project Fusion登場までに、どの製品を顧客に勧めるのかとの問いにウイリアムズ氏は「SCM(サプライチェーン・マネジメント)を重視する、HCM(ヒューマン・キャピタル・マネジメント)を重視するなど、顧客の求めるプライオリティに応じて、最適な製品を提供していく」とした。

 ただし日本法人統合前の現段階では、両者の製品販売体制は従来のまま。商談に際して、オラクル製品を提案するか、ピープルソフト製品を提案するか、両者間での調整はしておらず、おのおののパートナーが独自に営業を展開している状況だ。販売パートナーにとっても、新規顧客を開拓しづらい状況にあるのは間違いない。

 日本ピープルソフトの荻矢隆雄執行役員プロダクト・テクノロジー統括本部長は「統合発表後の一時期は、ユーザー企業で、プロジェクトの凍結も起こった。だが、すでにプロジェクトは再開され、以前の状況に戻った。新規顧客開拓の営業体制も従来通り」と、統合によるビジネスへの影響は大きくないと強調した。

森重 和春=日経ソリューションビジネス

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