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 SCM(サプライチェーン・マネジメント)関連に特化した米調査会社ChainLink Researchのアン・グラッキンCEO(最高経営責任者)が、先般、東京で開催された「PoweredCom Forum 2005」のために来日した。米国の中堅・中小企業(SMB)向けERP(統合基幹業務システム)市場やSCM市場の動向について話を聞いた。ChainLink Researchは2003年に設立され、SCMなどを活用した企業の競争力向上などについて調査活動を行っている。

◆米国でもSMB市場の攻略はホットな話題になっており、例えばERPソフトでも、多くのITベンダーから製品が発売されており、乱立状態になっている。現状では、どの製品が抜きん出て高いシェアを獲得しているとは言えない、まさに“群雄割拠”の市場だ。インフォアやSSAグローバル、かつてのJ.D.エドワーズ、オラクルなどの製品のほか、マイクロソフトは中小企業向けに5万~10万ドル程度の製品を投入している。このほか、1案件当たり約5万ドル程度と規模の小さいERPベンダーも多い。SMB市場におけるSCMについては、ERPソフトに比べると高価なため普及率は少ないが、IT活用の度合いという点では高い。

◆米国のSMBユーザーにとっても、ERPソフトなどIT導入は一大決心である。そのため動きは鈍いものの、少しずつ着実に進んでいる。SMBユーザーを攻めるには3つのポイントがある。1つ目はソフトの使い勝手を極めてシンプルにして、SMBユーザーがストレスなく操作できるようにすることだ。ソフトの操作だけに何日もトレーニングが必要というのは大手ベンダーの発想だ。2つ目は、柔軟に対応すること。SMBユーザーの業務を何でもERPソフトで処理しようというのは間違いで、ソフトで対応できない業務もたくさんある。無理に対応しようとせず、使い分けていくことが求められる。

◆3つ目はTCO(所有総コスト)の削減で、初期コストは下げられても、コンサルティングや保守・メンテナンス費用が高くなってしまっては意味がない。そうした価格の設定をどう割り切るかがポイントだ。実際、SMBユーザーの獲得に成功しているITベンダーは、地方のパートナーをうまく活用している。自社だけで対応せず、パートナーの販売ネットワークを確立して様々なサービスを提供することで、SMBユーザーを開拓しようとしている。その意味で、SMB市場の開拓にはパートナーとの協業がますます重要になっている。

大山 繁樹=日経ソリューションビジネス

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