最後の特徴は,インターネット上でルーターが効率よくパケットを中継するための工夫が施されていること。具体的なしくみは二つある。

 一つはIPアドレスの割り当てが経路制御を効率よく実施できるように配慮された形で進められていること。わかりやすい例としては,インターネット接続事業者(プロバイダ)ごとに大きなアドレス群(上位の数十ビットが固定)が割り振られていることがある。これにより,個々のユーザーのアドレス・ブロックをプロバイダのアドレス・ブロックで代表させられる。各ルーターには,ユーザーごとではなくプロバイダのアドレス・ブロックだけを経路情報として登録すれば済むようになる。

 もう一つは,パケット中継の処理を軽くしたこと。通常のヘッダーは固定長とし,認証機能などを使う場合は専用の拡張ヘッダーを動的に組み込むようにした。また,IPv4では実施していたヘッダーのエラー・チェックもなくしたので,ルーターの処理負担が軽くなる。

 図4 パケット中継の効率化を促進するしくみを持つ