最後は経路制御である。これは,パケットを中継する際,どのインタフェースに出力するのが適切かを,あて先ごとに決める機能である(図4)。

 経路制御には,動的に経路を決める方式と静的に決める方式の2タイプがある。前者は,ルーター同士が通信して動的に決めるやり方で,後者はユーザーが自身で手入力して経路を指定するやり方である。動的タイプの方が便利だが,管理が難しいという欠点がある。

 幸い,家庭やSOHO環境では,プロバイダの接続サービス用の回線を1本引き込み,インターネット向けのパケットはすべてこの回線に送信することになる。このため,「自宅のLAN上の機器あて以外のパケットは,すべてWANインタフェースに送信する」と設定しておけば済む。静的な方式で事足りるわけだ。


次回へ