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 今回は,IPv6を利用するための基本的なネットワーク・コマンドおよびそれを実現している基本プログラム群を解説します。これらのプログラムは,第1回で取り上げたUSAGIパッケージに含まれています。

 第1回のUSAGIインストールを済ませていれば,特別な設定なしにIPv6を利用できるようになっているのですが,単なるインストール作業だけでは自身がIPv6を利用しているという気分になりにくいものです。今回紹介するコマンドを利用すれば,自分の環境がIPv6対応であることを実感できることでしょう。

 今回紹介するコマンドやプログラムは,Linuxのネットワーク管理者には必須のものです。今後のためにも是非習得してください。

 最初からIPv6に対応したディストリビューションを利用している場合や,USAGIを利用せずにIPv6環境を構築した場合でも,おそらく同じプログラムを利用できると思います。

はじめに

 USAGIを導入した環境では,IPv6対応のプログラム群は /usr/local/v6/binディレクトリと /usr/local/v6/sbinディレクトリにインストールされています。

 PATH変数にそのディレクトリを追加してください。追加は以下のように行います。自分が利用しているシェルに応じて追加してください。自分の利用しているシェルを調べる方法も一緒に解説します。

 USAGI以外の環境では,/usr/inet6/binディレクトリにインストールされている場合があります。また,/usr/binディレクトリあたりに含まれるプログラムが最初からIPv6に対応している場合もあります。USAGI以外の環境でIPv6を利用する場合は,これから紹介するプログラムと同じ名前のプログラムを探して利用してください。

IPv6基本プログラム群

 ここからIPv6の基本的なプログラムを解説します。ここで使われるプログラムはLinuxに限らず利用されるものです。有名なプログラムが多いので是非使いこなせるようになってください。

 例の中に出てくる%#はプロンプトを示します。もしプロンプトが#になっている場合は,suコマンドなどを使ってからRoot権限で操作をする必要があります。

ifconfig

 ifconfigは,自分自身のインタフェースに設定されているIPv6アドレスを調べるためのプログラムです。IPv4アドレスも調べることができます。また,自分で任意のアドレスをインタフェースに設定することもできます。「あいえふこんふぃぐ」とか「いふこんふぃぐ」と読むことが多いようです。

 使い方は,
% ifconfig [インタフェース名]
です。インタフェース名には,eth0などが入ります。インタフェース名を省略すると,すべてのインタフェースのアドレスが表示されます。

 上の例では,eth0に3つのIPv6アドレスがついていることがわかります。このすべてが,自分のIPv6アドレスということになります。

ping6

 次に紹介するのはping6です。このプログラムは他のIPv6ホストがネットワークに接続されているかを調べるためのものです。潜水艦の探信音と同じ役割といえるでしょう。「ピンシックス」や「ピンろく」と読まれることが多いようです。
 
 使い方は,
% ping6 (調べるホスト名やIPv6アドレス)
となります。CTRLキーとCキーを一緒に押すと停止します。以下に使用例を示します。

注意:IPv6ルータの設定がされていなければ外のネットワークに接続することはできません

traceroute6/tracepath6

 traceroute6とtracepath6 は,どちらもあるIPv6アドレスのコンピュータに到着するまでの道順を調べるためのプログラムです。

 使い方は,
% traceroute6 (対象ホスト名もしくはIPv6アドレス)
% tracepath6 (対象ホスト名もしくはIPv6アドレス)
となります。両者の違いは,MTU(送出可能な最大パケットサイズ)の変化を検出するかしないかです。実際に動作を見てみるとその違いがよくわかります。

 環境によっては,これらのコマンドは正しく動作しないかもしれません。また,ルーターの設定や,外のIPv6ネットワークとの接続がなされていなければ,外部のIPv6ネットワークとは通信できません。それらの設定は,今後の連載で解説することにします。

netstat

 netstatは,現在動作しているサーバーの通信状態を調べたり,パケットを転送するためのあて先一覧表である経路表を見るために使われます。動作はオプションによって異なります。IPv6専用のプログラムではないので,オプションでIPv6の情報を調べていることを指定します。以下に利用例を示します。

 使い方は,
% netstat (オプション)
となります。オプションの内容を変えることで,IPv6ネットワークのさまざまな情報を得ることができます。

 経路表は,IPv6パケットをどこに転送するかを決めるための対応表です。こちらの使い方に関しては,今後の連載でLinuxを利用したIPv6ルーターを設定する際にもう一度解説したいと思います。

 netstat はIPv4とIPv6で共通のコマンドなので,オプション-Aのうしろに,"inet6"ではなく,"inet"と書くとIPv4に関する同様な情報を調べることができます。netstatには,この他にも入出力されるパケットの数を調べたりする機能があります。

 今回は,LinuxでIPv6ネットワークを設計する上で管理者が絶対に覚えておくべき基本プログラムを取り上げ,その簡単な利用例を示しました。ネットワーク構築や外部との接続を行う際には,これらのプログラムを利用する場面が必ずあります。

 さて,次回はIPv6を利用しているLinux上で,IPv6を利用して生活するために必要なプログラムを解説します。