エニーキャスト・アドレスとマルチキャスト・アドレスは,ユニキャスト・アドレスとは別に設定できるアドレスである。どちらも,ユニキャスト・アドレスでは実現できない付加的なサービスを提供するために考案された。

 最近のインターネットでは,アクセス数が多いサーバーの場合,ネットワーク上に同じサービスを提供するコンピュータを何台か設置し,トラフィックを分散させることがよくある。もちろんIPアドレスはそれぞれ違うので,自分の身近なサーバーを指定する必要がある。こうした環境でエニーキャスト・アドレスを活用すると,複数あるサーバーの中から一番近い先を自動的に選択してアクセスできるようになる。

 現時点でエニーキャスト・アドレスが有効だと思われる用途としては,(1)サーバーの負荷分散,(2)インターネットと社内LANの接続点にあるルーターへの疎通確認,(3)インターネット接続事業者(プロバイダ)への到達経路のチェック,(4)DNSサーバーの指定--などが考えられている。

 最後のDNSサーバーの指定は,DNSサーバーのIPアドレス(エニーキャスト・アドレス)をあらかじめ(出荷段階で)固定的に設定しておくというもの。クライアント側にもそのアドレスを固定設定しておくと,クライアントは接続場所を問わず,最寄のDNSサーバーに問い合わせを送れるようになる。


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