マルチホーム
あるネットワークが,インターネットに対して複数の到達性をもつこと。

ルーティング・テーブルの増大
ここで対象としているルーティング・テーブルは,default routeが存在しない経路,つまり一般的にfull routeと呼ばれている経路表のこと。インターネット接続事業者(プロバイダ)の多くは,インターネットへの接続性に冗長性を求めるためにマルチホームし,隣接する組織(AS)から経路をもらっている。同じ相手への経路もどんどん増えるので,ルーティング・テーブルは日々増大している。このほか経路数が増大した原因には,トラフィック・コントロールの目的で,自らがもつアドレス空間を細かく分けて他のASに伝えている(広報している)こともある。現在,full routeは10万経路を超えている。

経路集約
経路数が増えれば,それだけルーターにかかる負荷は大きくなる。ただし,経路をまとまった単位で扱うことができれば,ルーターにかかる負荷を抑えられる。そこで経路をある程度まとめ,その整理されてまとめられた単位で経路を広報するような運用がとられている。このように経路をまとめ,広報する経路数を少なくすることを経路集約するとか,aggregation(アグレゲーション)するとかいう。IPv6アドレスは,集約可能な階層的なアドレス構造を持つので,経路集約しやすい。

アドレス・ブロック
ある組織,あるいはあるネットワークに割り振ったアドレス空間のこと。

1AS 1prefix
IPv6では,full routeを減少させるために,一つのASが広報可能なアドレス空間をそのASがもつIPv6アドレスにのみ制限している。

IPng wg
IETFのWorking Groupの一つ。次世代のインターネット・プロトコルについて主に議論する。IPv6はこのwgで議論されている。

multi6 wg
IETFのWorking Groupの一つ。IPv6におけるマルチホームについて議論している。

ngtrans wg
IETFのWorking Groupのひとつ。IPv4からIPv6への移行の際に起こりうる問題について議論している。