今回は,IPv6アドレスの確認方法やWindows付属アプリケーションでIPv6を利用する例を解説します。
IPアドレスの設定
IPv6のホストは,通常,標準的に備えるアドレスの自動設定機能を使って自分のIPv6アドレスを決定します。多くの場合,ホストはルーターから通知される 64ビットのネットワーク・プレフィクスと,自分自身が持つLANカードの MACアドレスから生成した64ビットのホスト識別子(インタフェースIDとも呼ばれます)を組み合わせて,128ビットのIPv6アドレスを自動的に生成します。
Windows2000でも,この方法でアドレスの自動設定がなされます。
アドレスや経路表の確認
Windows2000上でIPv6の設定をするためのプログラムとして,ipv6というコマンドが用意されています。ipv6コマンドを使うと,現在割り当てられているIPアドレスや経路情報を知ることができます。
ipv6コマンドの利用例を以下に示します。
ipv6 ifとipv6 rtを実行した例です。
画面上に出てくるfe80で始まるアドレスは,ホストが自分自身で作るリンクローカル・ アドレスです。リンクローカル・アドレスは,ネットワークに接続していない状態でも作ります。
3ffeで始まっているアドレスはグローバル・アドレスです。 上位64ビット(ネットワーク・プレフィクス)はルータから通知されたもので,下位64ビット(インタフェースID)はMACアドレスを基に生成したものです。
グローバル・アドレスの後ろについている (addrconf)は,このアドレスが自動設定機能によって作成されたことを示しています。なお,ネットワーク・プレフィクスの先頭は,必ず3ffeになるわけではありません。プロバイダから割り当てられる場合は,たいていの場合,2001で始まります。
ipv6コマンドを使ったときに「 Could not access IPv6 protocol stack」と表示される場合があります。IPv6キットが正しくインストールされていない可能性があるので,最初の「インストール」に戻って確認してください。
IPv6を利用可能なアプリケーション
インストールが終了した時点でIPv6を利用可能なアプリケーションとしては,
Internet Explorer
telnet
ftp
ping6やtracert6
などがあります。これらのアプリケーションは,接続先がIPv6でアクセスが可能な場合にはIPv6でアクセスします。また,IPv6アドレスを直接入力すれば,IPv6でアクセスできます。 URLフィールドにIPv6アドレスを書く場合には,IPv6アドレスを[ ]で囲んでください。(下図を参照して下さい)
Internet Explorer
日本および世界の国々で,いくつかのIPv6対応Webサーバーが公開されています。なかには,IPv4でアクセスした場合とIPv6でアクセスした場合とで,表示される画面に変化を付けるという凝った作りのページもあります。
有名なサイトの一つに,BSD用のIPv6スタックを開発したKAMEプロジェクトのページ(http://www.kame.net/)があります。このページは,IPv4でアクセスすると静止している「かめ」が,IPv6でアクセスするとGIFアニメーションで泳ぎ始めます。
telnetとftp
telnetはリモート・アクセス,ftpはファイル転送のためのプログラムです。 ターゲットとなるノードがIPv6で到達可能であれば,IPv6でアクセスします。操作はIPv4のときと同じです。
tracert6とping6
tracert6は,ターゲットとなるノードまでのインターネット上の道順を示すプログラムです。一方のping6は,ターゲットとなるホストが動作しているかどうかを調べるプログラムです。 実行結果は,以下のようになります。
IPv6を利用できないアプリケーション
Internet Explorerと一緒に配布されているOutlook ExpressはIPv6を利用できません。また,Netscape Navigatorをはじめとする多くのアプリケーションも,残念ながらIPv6には未対応です。