IXとは,インターネット相互接続点(internet exchange)を略したもの。具体的には,インターネット接続事業者(プロバイダ)同士が,自社のネットワークを別のプロバイダのネットワークと相互接続するための専用設備のことである。

 インターネット上には数え切れないほど多くのプロバイダが存在する。あるプロバイダが別のプロバイダと相互接続しようとするとき,プロバイダごとに接続回線を設置していたのでは大変なコストがかかってしまう。そこで,複数のプロバイダ間で相互にデータ交換できる場所を作り,そこに個々のプロバイダが接続回線を持ち込むという手法が採られるようになった。これがIXである。

 IXを提供する事業者は,高速LANスイッチやルーターを用意する。そこに参加するプロバイダは回線とルーターを持ち込み,IX設備と接続する。こうすることで,そのIXに参加するプロバイダとの間でデータ交換できるようになる。プロバイダとIXをつなぐ回線は1本であるが,その回線を通じて複数のプロバイダとの間でデータ交換できるところに特徴がある。

 世界で最初のIXは,91年に米国で誕生したCIXである。米国プロバイダ3社が,それぞれの抱えるユーザー間でのデータ交換を目的に構築した。93年になるとNSF(米国科学財団)が,学術ネット「NSFNET」の運用を民営化したのを機に「NAPs」(Network Access Points) と呼ばれる4カ所のIXを設置した。米国のプロバイダは,CIXとNAPsに接続して他プロバイダとトラフィック交換するのが一般的になり,海外のプロバイダもこれにならうようになる。

 その後,米国以外の国々にもIXを設置しようとする動きが始まる。日本では,産学協同のWIDEプロジェクトがNSPIXP(Network service Provider Internet eXchange Point)と呼ばれる実験ベースのIXを94年に構築した。しばらくNSPIXPしかない状況が続いたが,97年に商用IXとしてJPIXが生まれ,2001年にはJPNAPも誕生した。

 最近ではIPv6トラフィック専用のIXもいくつか登場している。米国では,米エネルギー省の研究機関ESnetなどが運用する6TAP,テレハウスの6IIX(3カ所),米ステルス・コミュニケーションズのNY6IX,米PAIX.netのPAIXなどがある。また,NTTの関連会社である米NTT MCLも西海岸にIPv6専用のIXを運用中。欧州には,英国にあるUK6X,ドイツのINXS,オランダのAMS-IXなどがある。

 日本の場合は,NSPIXPを運用するWIDEプロジェクトが99年8月に,IPv6専用の実験IXとしてNSPIXP-6の運用を始めた。現在,約20社以上のプロバイダが接続している。IPv6専用の商用IXはまだ日本にない。それでもJPNAPを運用するインターネットマルチフィードは,JPNAPのIPv6化を視野に入れている。



世界のIPv6対応IXリスト
http://www.v6nap.net
NSPIXP-6のホームページ
http://www.wide.ad.jp/nspixp6/index.html