英語のネイティブとは,「原産地の,生まれつきの,天然の」といった意味を持つ形容詞である。IPv6の世界でネイティブという場合は,「IPv6パケットを手を加えずに扱う」というニュアンスで使われる。

 サービス名称で使われるネイティブの意味も,やはりIPv6パケットをそのまま取り扱うというもの。つまり,IPv6プロトコルで接続するサービスのことである。ちなみに,今のインターネット接続サービスはIPv4のネイティブ・サービスである。

 IPv6の場合にわざわざネイティブ・サービスと呼ぶのは,ネイティブではないIPv6接続サービスが存在するから。IPv6パケットをIPv4パケットの中に入れてやりとりするトンネル・サービスがそれである。現状のIPv6接続サービスの大半がトンネル・サービスであるため,トンネル・サービスではないことを明示的に伝えるためにネイティブ・サービスという呼んでいる。

 ネイティブ・タイプのサービスを利用するには,プロバイダと接続するユーザー側のネットワーク環境をIPv6対応にしておく必要がある。この作業は専門的な知識が求められるため,トンネル・サービスに比べてネイティブ・サービスを利用は少々難しい。

 これに対してトンネル・サービスを利用する場合は,ユーザー側のネットワーク環境はIPv4のままで済む。ユーザーがすることは,社内のIPv6機器あるいはIPv6ネットにトンネル機能を設けること。こうすると,それらのIPv6機器が送り出したIPv6パケットはIPv4インターネット経由でプロバイダ側のトンネルの出口(IPv6インターネットの入り口)へ送り届けられる。

 現在,国内でネイティブ・タイプの接続サービスを提供しているプロバイダとしては,インターネットイニシアティブ(IIJ)とNTTコミュニケーションズがある。なおIIJは,1本の回線でIPv4とIPv6を両方同時に扱えるデュアル・スタック・タイプの接続サービスを計画している。



インターネットイニシアティブが提供するネイティブ・タイプの接続サービス
http://www.iij.ad.jp/IPv6/native.html
NTTコミュニケーションの発表資料
http://www.ntt.com/NEWS_RELEASE/2001NEWS/0004/0426.html