sub-TLA(Top-Level Aggregation)は商用のIPv6接続サービス用に割り振られている,今のところ最上位のアドレス・ブロックである。現在世界で3組織ある地域インターネット・レジストリ(RIR)が,大手ISP(インターネット接続事業者)などに割り振るものだ。現在は「2001」で始まるsub-TLAが割り振られている。

 IPv6の実験フェーズでは,6boneと呼ばれる実験ネットワークが使われてきた。6boneで用いられているIPv6アドレスは,Pseudo-TLAと呼ばれるアドレス・ブロックのものが使われる。「3FFE」で始まるアドレスがそれだ。このPseudo-TLAアドレス・ブロックはあくまで実験目的であり,このアドレス・ブロックを用いて商用サービスを提供することは禁じられている。

 そこで,商用サービスで用いるためのアドレス・ブロックの検討がAPNIC,ARIN,RIPE NCCのRIRで行われた。正式IPv6アドレスの構造としては,sub-TLA(17ビット目から13ビット)の上位のものとしてTLA(4ビット目から13ビット)がある。しかし,TLAアドレス・ブロックをISPなどの組織に割り振ることはしばらく見送られることになった。TLAアドレス・ブロックを割り振るに値する組織であるかどうかの見極めるために,その予備的位置づけであるsub-TLAアドレス・ブロックの割り振りからスタートした。

 どのようなポリシーでIPv6の正式アドレス・ブロックを割り振り・割り当てるかは,RIRが定めた「Provisional IPv6 assignment and allocation policy document」によって明文化されている。sub-TLAは,/35のプレフィクスが割り振られる。1999年夏から,これまで世界的に150近い組織に割り振りが行われている。

 IPv6アドレスは128ビットあるが,階層化してアドレス配布が行われる。まず各RIRから直接sub-TLA申請組織(主に大手ISP)へ割り振りがなされる。sub-TLAホルダーはISPに対してはNLA(Next-Level Aggregation),企業や個人に対してはSLA(Site-Level Aggregation)を,sub-TLAの中から切り出して提供することになる。こうした階層的割り振り/割り当てによって,実際のルーティングでは経路情報が効率よく集約される。

 具体例で見てみよう。NTTコミュニケーションズはAPNICより,2001:218::/35というsub-TLAアドレス・ブロックの割り振りを受けている。NTTコミュニケーションズの顧客であるISPに対しては,この範囲から例えば2001:218:ff00::/40というNLAアドレス・ブロックを割り振る。このISPはさらに顧客である企業へ,この範囲から例えば2001:218:ffcc::/48というSLAアドレス・ブロックを割り当てる。

 IPv6インターネット上のノードが,この企業内のIPv6ノードと通信する場合に,通信経路上のルーターは,48ビット目つまり2001:218:ffccまで見なくても,35ビット目までの2001:218だけを見れば,NTTコミュニケーションズまで送り届けることができる。実際,IPv6インターネット上でBGP4+によって行われる経路情報の交換では,基本的には/35より細かい経路が現れることはないのだ。こうして経路情報の集約が実現されている。

 IPv6アドレス配布が開始されて3年になろうとしているが,実運用に則した形でポリシーの見直しをする動きが活発化してきており,早ければ2002年夏にも新しいアドレス配布のポリシーがRIRより発行される予定である。

(江坂慎一▼NTTコミュニケーションズ グローバルIP事業部グローバルワンネットワーク部IPv6プロジェクト主査)