■はじめに

 ASP(Application Service Provider:アプリケーション・サービス・プロバイダ)という言葉をご存知でしょうか。一時ほどではない気がしますが,新聞をはじめ,いろいろなメディアで取り上げられていますので,一度は耳にしたことがある方も多いでしょう。

図1●ASPはアプリケーションの機能を,インターネットを介して提供する
 インターネットの発展,普及は目を見張るものがあります。国内でも,インターネットの接続人口は3000万人に近くになりました。電子メールはコミュニケーション・ツールとしてすっかり定着しています。その結果,インターネット上では様々なサイトが登場し,企業や個人の情報発信の手段として,その質も量も充実しています。また,インターネットでのシステム開発の技術的なスキルも向上しています。そのため,BtoB(企業間取り引き)や,BtoC(企業と個人の取り引き)も活発です。そのほか,ショッピング・サイト,オークション,出会いの場など,インターネットによって新しいサービスやビジネスのアイディアが続々と出てきています。

 これらインターネットの新しいサービスの一つのジャンルにASPがあります。昨年から注目されるようになりましたが,その取り上げ方を見ていると,ASPがかなり広義の意味で解釈され,ホントはどんなものなのか,いまひとつわかりにくいという方も多いかと思います。そこで今回は,APSとは何なのかをわかりやすく解説しましょう。

■まずASPとは?

 ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)を直訳すると,アプリケーション(応用ソフトウエア)をサービスとして,インターネットで提供する,という意味になります。皆さんがイメージするアプリケーションは何でしょうか。個人向けであればワープロ・ソフトや表計算ソフト,企業向けであれば,販売管理システムなどが思い浮かぶかもしれませんね。これらのアプリケーションの機能を,インターネットを介して,提供するのがASPです(図1[拡大表示])。

 アプリケーションを利用する側のパソコンには,基本的にはInternet ExplorerやNetscape NavigatorなどのWebブラウザさえあればよく,パソコンにアプリケーションをインストールする必要はありません。そして基本的には,使った期間や処理した量に応じて料金を支払うのです。