■ASP成長のための基本環境

 ASPはインターネットの新しいサービスとして脚光を浴びたために,今ではインターネットで提供されるさまざまなサービスを総括してASPと呼ぶようです。そしてマスコミやベンチャ・キャピタルがこぞって,ASPをIT革命の中で大きな収益を上げる新ビジネスとして取り上げ,投資をしています。しかし,現状はなかなか収益が上がらず,苦戦しています。その理由の一つは,日本ではまだアメリカのように低料金の常時接続の環境がない点です。接続料金が気になっていては,ASPを気軽に使うわけにはいきません。ですから,早く低料金の接続環境が整うかどうかがASPの成功と普及のスピードを決めることになります。

 もう一つは,低料金の使用料の課金方法と徴収方法の構築です。例えば,ASPで年賀状作成ソフトを1日使って200円課金されるとします。現状ですと,クレジット・カードで決済するのが一般的ですが,クレジット・カードを持たない高校生などは,そうはいきませんし,私を含め,クレジット・カードのナンバーや暗証番号をインターネットで入力するのに抵抗がある人も多いでしょう。一番良いのは,銀行口座からの引き落としですが,手数料がかかりすぎます。ASPが普及するためには,インターネットでの決済の手数料の少ないインターネット銀行の登場が待たれます。

■ASPの定義

 ASPはインターネットが先進的に普及しているアメリカから入ってきました。アメリカでスタートしたASPはグループウエア,財務会計などの業務アプリケーションが主でした。日本ではどうでしょうか。日本では,データの配信もASPと呼ばれる場合もあります。音楽やゲーム・ソフトの配信サービスもASPと取り上げているメディアもあります。また,例えば,お弁当屋さんやイベントをしている企業相手に,局地的な天気予報を有料で提供するサービスは広義のASPととらえられているようです(表2)。

情報(コンテンツ)提供 処理機能提供
広義 ×
一般的
狭義 ×
表2●ASPの定義

 これらは間違いではないでしょうが,少々広く解釈している気がします。本来のASPは,業務処理機能をインターネットで提供することです。アメリカでスタートした,グループウエアや財務会計,給与計算などはそれにあたります。ですが,インターネットのコンテンツ配信機能を考えると,処理機能+豊富なコンテンツの両方を提供するのがASPとして一番相応しいのではないでしょうか。例えば,鉄道の路線や時刻表の情報と,最短の交通経路と料金を計算するサービスを利用し,その結果が交通費精算書として出力できる,といったサイトがあれば,よりASPらしいでしょう。しかも,利用した月のみ何百円で使えると,気軽に利用できるでしょう。