■ASPの特長

 ソフトウエアはもともと,使用権を料金として払っており,決して買っているわけではありません。本来ソフトウエアは使う分だけ払うのが正しい料金の取り方です。この点で現状のパッケージ購入時に料金を払うより,ソフトウエアの利用に応じて料金を取る,ASPの方が課金についての合理性があります。それに,アプリケーションをインストールしませんので,ユーザーのパソコンのリソースの負担が小さくて済みます。

■ASPの弱点

 ASPは優れたソフトウエアの提供形態ですが,すべてのパッケージ・ソフトウエアがASPになっているかというとそうではありません。どちらかと言えば,アプリケーション・パッケージのASP化は遅れています。その理由は,Webブラウザを基本のアプリケーションとして利用するため,操作性と出力系で弱い点があるからです。例えば,スケジュールを入力するアプリケーションで,「AM9:00からAM10:30まで会議」といった場合にWindowsのアプリケーションでしたら,開始時間と終了時間をマウスをドラッグして指定できますが,ブラウザが基本となるASPではそのような操作性は,ActiveXコントロールや,Javaアプレットなどを利用しなければ実現できません。また,出力に関しても,Webブラウザの持っている出力機能に依存するため,日本の業務アプリケーションで要求する帳票などの細かい罫線の入った出力や,大量のデータをキチンと改行や改ページして出力するのには向きません。

■ASPの将来

 当初考えられたASPは,エンドユーザーに対して,アプリケーションを提供すると考えられていました。この点も環境が整えば,どんどん普及すると考えられます。しかし,最近はインターネット対応の本格的なサイトを立ち上げるために,ASPの機能を組み合せて,本格的なサイト構築の時代が来ることがわかってきました。

 例えば,ショッピング・サイトを立ち上げるのに,商品データベースを提供するサイト,決済のサイト,認証用サイトなどの機能をリンクしてサイトを構築できるようになります。その一つに,104Server.com(Webエントリ支援ASPサービス)といい,ショッピング・サイトのエントリ・ページの入力を支援するASPがあります。エントリ・ページを利用するユーザーが電話番号や郵便番号を入れると,104Server.comがハローページのデータベースから該当する住所や企業名を転送し,自動入力させる機能を提供するものです。これはエンドユーザーに機能提供するのではなく,ショッピング・サイトに機能提供するものです。このような新しいASPもどんどん出てきています。そうなると,サイトの構築開発の初期費用が節約でき,開発期間も短縮されます。この新しい観点のASPの普及の方がひょっとするとエンドユーザー向けのASPの普及よりも早いかもしれません。

■結びに

 ASPはアプリケーションの利用者や提供者にとって新しい方法を実現しました。どのようなアプリケーションをどちらの方法で使うのが良いか,料金の負担方法の妥当性など,まだ黎明期ですので,正しく判断するのは難しいかもしれませんが,この連載の内容を参考にして頂き,上手にアプリケーションの利用と提供をして頂ければ幸いです。いずれにしても,選択の幅が広がったのはインターネットの効用だと考えます。ご愛読ありがとうございました。