図1●ECサイトのシステム構成図

■システム構成上の要素

 第2回で,オンライン・ショップの内容,デザインなどを決定しました。次はいよいよ構築段階に入ります。今回は「ECサイトを構築していくには」をテーマに,システム構成を中心に説明していきます。まずは図1[拡大表示]をご覧ください。図1は,システム構築にあたって用意すべき内容を,システム構成図としてまとめたものです。この図を例にとって説明していきたいと思います。

■サーバー構成を決める

 ECサイトの構築には,サイトの実行環境となるサーバーが必要です。しかし,一口にサーバーと言っても,用途に応じてさまざまな種類を用意しなければなりません。図1を見ると,サーバー構成については,WWWサーバー,データベース・サーバー,メール・サーバー・アプリケーション・サーバーを組み合わせた構成例となっています。これらは,システムの規模や機能に応じて構成や配置を設計する必要があります。それぞれのサーバーの用途を説明しましょう。

(1)WWWサーバー(World Wide Web Server)

 Webサーバーという呼び方をすることもあります。WWWコンテンツを配信する役割を持つサーバーです。著名なWWWサーバー・ソフトしては,マイクロソフトのIIS(Internet Information Server)や,フリーソフトのApacheなどがあります。

(2)データベース・サーバー(Database Server)

 取引データや商品情報など,ECで必要な様々なデータを管理するためのサーバーです。基本的にWWWサーバーと連携して機能します。例えば,取引情報などはWWWサーバー経由でデータベース・サーバーに格納され,商品情報などは,データベース・サーバー上に格納されている情報が,WWWサーバーの要求に応じて取り出される,といった仕組みが一般的です。

(3)メール・サーバー(Mail Server)

 ECでは,顧客とのやり取りは一般的に電子メールを介して行われます。そのための電子メール送受信用サーバーです。メール・サーバー用のメール配信プログラムとしては,Sendmailなどがあります。

図2●コール・センター・システムの例

(4)アプリケーション・サーバー

 バックエンドで処理されるアプリケーション・プログラムを実行するためのサーバーです。WWWサーバーが受け取った取引情報をもとに処理を実行します。図2[拡大表示]は,コール・センター・システムの例です。

 そのほか,環境に応じてDNS(Domain Name Server)やファイヤ・ウォールなど,ネットワーク構成に関係するサーバーを用意する必要もあります。

■システム開発の手順

 ECサイトの構築においても,一般的なクライアント/サーバー・システム同様,システム設計,プログラム開発,システム評価という手順で行います。ここではECサイトとして特に留意すべき内容を取り上げてみたいと思います。

(1)システム詳細設計

 一般的なシステム開発手法と同様ですが,ECサイトだからこそ重要であるといった留意点がいくつかあります。それは,パフォーマンスやテスト・シナリオ,及び保守容易性や管理コストです。これらの内容を視野に入れて設計を進めているかという点が重要なポイントとなります。

(2)プログラム開発

 開発フェーズでは,いかに良い開発環境を準備できるか,といったことが重要なポイントになります。これによって作り込みと評価の期間やシステムの品質が大きく変わるといっても過言ではありません。

(3)システム評価

 システム評価フェーズでは,テスト・シナリオの重要性が高くなります。特にそれがB to CのECサイトならなおさらです。テストの実施の際は,より一般ユーザーの視線で評価することが要求されます。品質評価はもちろんのこと,パフォーマンス・テストや様々な環境でのテスト(機器別やブラウザ別など)を繰り返し実施する必要があります。

 今回は,ECサイト構築の手順を中心に説明してきました。次回は,ECサイトの管理について紹介したいと思います。