今まで4回にわたりECについて説明してきました。今回は最終回ということで,今後のECはどういった方向に発展していくのかといった点について考えていきたいと思います。

■様々な機器との融合

 発展の方向はいろいろと議論されていますが,筆者が今,もっとも注目しているのは,PCだけでなく,携帯電話など,様々な機器とのECとの融合です。コンピュータ以外の機器に注目した場合,ECはさらなる広がりを見せてくれることでしょう。

(1)携帯電話機器

 利用場所を問わないという点と,個人認証が容易である,という点において,携帯電話はECの可能性を広げてくれる機器の代表格と言えます。

図1●auユーザー向けの課金代行サービス

 ECと携帯電話との融合例として,ひとつの事例を簡単に紹介したいと思います。このシステムは,携帯電話利用者に対して有料コンテンツを提供する企業向けの課金代行サービスです。エンドユーザーはauグループの携帯電話ユーザーであり,各々の利用者は購読したいコンテンツがあれば,そこにサイン・インすることにより即座に購読できる仕組みとなっております。また料金体系としては現在のところ,月額固定料金で運用されています(図1[拡大表示])。

(2)テレビ・ゲーム機器

 テレビ・ゲーム機器のインターネット接続については,もうすでに実用化され,利用者も増加しています。パソコンを持たない人への裾野が広がるきっかけとしてゲーム機は重要な位置を占める機器となるでしょう。その普及にしたがってECサイトもゲーム用コントローラを意識した作りが必要となるのかもしれません。

(3)デジタル・テレビとの融合

 テレビもデジタル放送サービスが開始されました。いよいよテレビ機器だけで様々なサービスを受けられるようになってきたのです。今後,双方向対話型のサービスが増加していくにつれ,ECサイトとデジタル・テレビとの融合が重要なポイントとなると思われます。

(4)リモート電話機

 携帯電話以外でも,Lモードなどリモート電話機のサービスが開始されれば,FAX配信サービスと組み合わせたサービスなどが創設されることでしょう。また,その普及度合いによっては携帯電話を持たない熟老年層向けのECサイトも続々出現するのではないかと期待します。

■最後に

 次々に発売される構築ツール,次々に発表される新しいアイデア,こういったことが背景にあり,今回の連載は,極力個別の技術や製品の紹介内容は避けてみようと考えました。結果として具体性に欠ける内容になった部分もあるかとは思いますが,ECサイト構築に携わる我々の仕事への取り組み方といったものが,これを機に少しでも理解いただければ,と思います。

 「ECは実体の模倣ではなく,新たな創造である」。初回に掲げたこの言葉も,様々なシステムとの融合によって実現の道が開けてきました。このことを考えると一層期の待感を持って21世紀を迎えられると思います。ご愛読いただきどうもありがとうございました。