■顧客への対応の向上

 CRMの大事な内容に,リピーター作りの努力,顧客の購買行動の分析ともうひとつ,顧客対応の向上があります。

 日本ではあまり言われませんが,アメリカには「フロントオフィス・ツール」というアプリケーションのコンセプトがあります。営業マン,営業のアシスタント,サポートといったお客さんと接する人(フロントの人)が顧客の情報と対応の経緯を共有し,顧客と接するときの対応のレベルを向上させ,顧客の満足を向上させることを目指すものです。具体的には,営業のプロセスや購入後の面談や電話,送付した資料などの記録を顧客別に記録し,顧客と対応する人がその内容を見ながら対応することです。

 ある大手メインフレマーのテレビ・コマーシャルで,注文を訂正するときに,一方は問合せ部署をたらい回しされ,一方はパソコンを見て注文の変更経緯も分かっているという事例を紹介するものがありますが,後者はまさにフロントオフィス・ツールの成果の事例と言えるでしょう。

 もう一つCTI(Computer&Teleghony Interface)もこの点で大きな威力を発揮します。顧客のデータベースには当然電話番号が入っています。CTI機能を搭載したシステムでは,電話をかけてきた顧客がナンバー通知機能を使っていれば,電話番号を基にその顧客のデータを自動検索し,対応ができます。皆さんの中で,ユーザーとして企業に電話をした際,先方がいきなりこちらの名前を言ってきた経験があるのではないでしょうか。それは,CTIを導入している企業です。

さらに名前だけでなく,相手企業のいろんな人がこちらの事情を把握していて,継続中の案件に即座に対応してくれたら,スムーズに話が進み,こちらに対してフレンドリーな企業として相当好感度はアップするはずです。

■インターネットでCRMが充実

 データベースの処理は,コンピュータ・システムの得意とするところです。現状では,CRMに対するコンピュータ・システムの一番の貢献は,インターネットよりはデータベースの処理といえるでしょう。しかし今後は,顧客維持のためのコミュニケーション・ツールとして,予約や受注の利便性の提供など,インターネットのCRMに関する大きな貢献が期待されます。

 私もある航空会社のマイレージ会員です。航空会社のWebサイトで会員番号を入れると,予約が簡単にできますし,あとは出発の時に空港で,チェックインの機械にクレジットカードを入れ,チケットを受取ります。旅行代理店に行かなくて済むようになったのです。マイレージもその時点でカウントされます。また,インターネットでカード番号とパスワードを入れると,私のマイレージの確認ができる画面が出ます。先日はそこから,ポイントを使ってカバンをもらいまいした。カバンが届いたときは,とっても得した気分でした。

 皆さんは「BtoC」という言葉はよく目にすると思いますが,インターネットのお陰で,メーカーが直接商品を販売できるようになリました。インターネットでは顧客がどのページをよく見ているのか,どんな商品を望んでいるのかなど,顧客の要望を収集することができます。そして,顧客のニーズの強い商品を商品化すれば,そのビジネスは非常にリスクの少ないビジネスになります。まさに顧客志向のマーケティングができることになります。今後も,インターネットを更に活用したCRMが考えられてくるでしょう。