今回は,UNIXを操作する上で必要なコマンドを紹介します。UNIXはコマンド・ベースのOSです。Windowsのようにグラフィカルな画面(GUI)があれば操作を覚えるのが楽だし,直感的に理解できます。UNIXにもGUIが用意されていますが,一般的にはコマンド・ベースの操作が基本です。
コマンドを覚えるのが面倒,あるいは分かりにくい,と思う人もいるでしょう。しかし,コマンドにもよい点があります。例えば,今いるディレクトリにあるファイルを表示させたいとします。Windowsの場合,エクスプローラを起動し,マウスで今いるディレクトリまで移動しなければなりませんが,UNIXではキーボードから「ls」コマンドを打てばすぐに表示されます。コマンド・ベースだとスピーディに処理ができるのです。インターネット・サーバーはリモートにある場合が普通です。リモートにあるマシンを動かすには,コマンド・ベースが便利なのは言うまでもないでしょう。
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図1●UNIXのコマンド入力 |
UNIXでコマンドを実行するのは、シェルというプログラムです。シェルはユーザーからのコマンドを解釈してOSに伝える役割を持ちます。シェルでプログラムを書くこともできます。 UNIXにはいろいろなシェルが用意されており,ユーザーの好みで選べます。ただし,これから紹介するコマンドはどのシェルでも動作します。
では,コマンドはいくつ覚えたらよいのでしょうか? 一度にたくさん覚えることは不可能なので,よく使うコマンドを表1に示します。
コマンド | 用途 |
pwd | 現在いるディレクトリを表しています。 |
ls | ディレクトリの内容を表示します。 |
ls -l | lsコマンドにスペースを空けて「-l」とオプションを与えると,ディレクトリの詳細を表示します。 |
cd | 現在のディレクトリから移動するコマンドです。「cd」の後にスペースを入れて,移動したいディレクトリ名を指定します。 |
man | マニュアルのコマンドです。「man ls」のように,manの後にスペースを入れて,調べたいコマンド名を指定します。 |
mkdir | ディレクトリをつくるコマンドです。 |
chmod | ファイル権限を変えるコマンドです。 |
more | ファイルの内容を表示します。 |
表1●UNIXでよく使うコマンド |
以上,これからUNIXを始める上で,最低限覚えておくべきことを3回にわたって解説してきました。これらの基本事項は,ネットワーク管理をする上でも必要となってきます。みなさんのご検討をお祈りします。