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(注:記事は執筆時の情報に基づいており,現在では異なる場合があります)

インターネットのメールはその最初からオープンソースのメール・サーバーが担ってきた。定番のsendmailに加えqmailやPostfixも普及してきている。周辺のオープンソース・ソフトウエアを組み合わせて活用すれば,メール添付ファイルのウイルス検出や迷惑メールのフィルタリングも可能だ。

図1●メール・サーバーの仕組み
 インターネットの重要なサービスとしては,Webが取り上げられることが多い。しかし,それ以上に重要な役割を担っているものとして電子メールを挙げることができる。業務上の連絡手段として,プライベートでのコミュニケーション手段として欠かせない存在となっている。

メールの歴史はオープンソースとともに

 現在の電子メールの仕組みは約20年前の1980年代前半に誕生したとされるが,実は電子メールの歴史はオープンソースとともに歩んできたといっても過言ではない。

 実際,インターネット上での電子メールはsendmailと呼ばれるオープンソースのメール・サーバーが支えてきた。sendmailは長い年月を経て利用されているが,今でも現役として利用され続けている。実際,現在でもメール・サーバーといえばsendmailといってもよいほど定着している。

 単にメール・サーバーといっても複数の役割があり,単一のソフトウエアで提供されているとは限らない。

 メール・サーバーの機能は,大きく2つに分かれる。メールを配送する機能と,クライアントからのメール受信を助ける機能である(図1[拡大表示])。

 前者の機能は,メール・クライアント(メーラー)やメール・サーバーから電子メールを受け取り,そのメールをメールボックスに配送したり(ローカル配送),他のメール・サーバーに配送するというものである(リレー,中継,リモート配送)。

 これらの機能を提供するソフトウエアのことをMTA(Mail Transfer Agent)やSMTPサーバーといい,狭義での意味として「メール・サーバー」と呼ばれることもある*1

 後者の機能は,メール・クライアントと通信し,メールボックスに格納されているメールをダウンロードさせたり参照させたりする機能である。この際によく利用されるプロトコルがPOP(Post Office Protocol)である。そのため「POPサーバー」と呼ばれることが多い。今回は,前者のMTAとしてのメール・サーバーに焦点を当てて,解説していくことにする。

濱野賢一朗(はまの・けんいちろう)氏

株式会社びぎねっと 取締役,リナックスアカデミー 教務統括部。Linuxをはじめとするオープンソース・ソフトウエアに精通した技術者を養成するための体系的な教育手法を模索するべく,セミナーやトレーニングなどによる情報提供を行っている。「合格Expert LPI Linux 認定試験 レベル1リリース2」(共著,技術評論社),「qmailで作る快適メールサーバー」(共著,秀和システム)など著書多数。