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インストールの際は,必ず以下のように-Uオプションを指定すること。
# rpm -Uvh samba-ldap*.rpm
なお,上記のインストールを実行する前に,以下のディレクトリ配下のファイルをバックアップしておくと,作業ミス発生に伴うリカバリ時に役立つだろう。
・ /etc/samba/
・ /var/cache/samba
OpenLDAPの設定
LDAPを利用するために,(a)LDAPサーバーを動作させるための設定と,(b)LDAPクライアントとしての設定を行う必要がある。(a)はLDAPデーモンを動かすサーバーだけに行えばよく,(b)はWindowsを除くLinux/UNIXマシンすべて(LDAPサーバーも含む)に対して行う必要がある。
(a)LDAPサーバーを動作させるための設定
設定の対象ファイルは,/etc/openldap/slapd.confだけである。
OpenLDAPの詳細な設定方法に関しては,以下のWebページや一般書籍なども参照すると良いだろう。
●OpenLDAP 2.0 管理者ガイド:
http://www.interq.or.jp/earth/inachi/openldap/admin/index-ja.html
●Red Hat Linux 参照ガイド:
http://www.jp.redhat.com/manual/Doc9/rhl-rg-ja-9/ch-ldap.html
ここでは,Sambaでドメイン環境を構築するための設定だけを解説する。まず,以下からslapd.confのサンプルをダウンロードし,/etc/openldap/ ディレクトリに配する。そして,次に解説する3つのパラメータだけを変更する。
http://www.miraclelinux.com/technet/magazine/openldap/index.html
●suffix
ベース・サフィックスを指定する。最低1つは設定することが必須で,複数指定することも可能である。
このパラメータは,ユーザーが自由に設定できるが,全世界でユニークになるようにDNSドメイン名と同じものを使用すると良い。
【ベース・サフィックスの例】
・ suffix "dc=miraclelinux,dc=com"
・ suffix "dc=nikkeibp,dc=co,dc=jp"
・ suffix "ou=naniwa,dc=oracle,dc=co,dc=jp"
・ suffix "ou=sales,ou=yokohama,o=miraclelinux,c=jp"
ここで,dcはDomain COmponent,ouはOrganization Unitを意味している。dc,ou以外に,c:countryやo:organizationなどの使用も一般的である。要するに,全世界でユニークになるなら,どれを使うのもユーザーの自由である。また,英大文字,英子文字の区別はない。
●rootdn
LDAPサーバーの管理者のDN(Distinguished Name:識別名)を指定する。なお,管理者DNを含むユーザーDNには,英大文字,英子文字の区別はない。
【管理者DNの例】
・ rootdn "cn=Manager,dc=miraclelinux,dc=com"
・ rootdn "cn=root,dc=nikkeibp,dc=co,dc=jp"
・ rootdn "cn=Administrator,ou=Users,ou=naniwa,dc=oracle,dc=co,dc=jp"
・ rootdn "cn=Manager,ou=person,ou=sales,ou=yokohama,dc=miraclelinux,dc=co,dc=jp"
管理者のDNも,前述のサフィックスを含むものであればユーザーが自由に設定できる。
●rootpw
LDAPサーバーの管理者パスワードを設定する。
試験のときはそのままの(暗号化されていない)パスワードを指定しても良いが,試験が完了したら暗号化したものを設定しよう。例えば,miracleというパスワードをMD5ハッシュする場合は,slappasswdコマンドを使用して以下のように行う。
# slappasswd -s miracle -h {MD5}
{MD5}0SLYzLSMIRdTdundlie/5A==
ここで表示されたものを使用して
rootpw = {MD5}0SLYzLSMIRdTdundlie/5A==
というように指定する。
なお,LDAPに登録されているユーザーをrootdnに指定し,LDAPの中にパスワードが格納されていれば,rootpwを指定する必要はない。
例として,サフィックスを"dc=miraclelinux,dc=com",管理者DNを"cn=Manager,dc=miraclelinux,dc=com",管理者パスワードをmiracleとして設定するには,slapd.confの中で図2[拡大表示]のように指定する。
設定が終了したら,OpenLDAPデーモンを起動させる。
# service ldap restart
うまく起動したら,システム起動時に自動的に動作するよう,次のように設定する。
# chkconfig ldap on
(b)LDAPクライアントとしての設定
LDAPデーモンを動作させるマシンを含むすべてのLinuxマシンで,以下のファイルに対して設定する必要がある。
・ /etc/ldap.conf
・ /etc/openldap/ldap.conf
・ /etc/nsswitch.conf
・ /etc/pam.d/system-auth
上記4つのファイルに対して,同時かつ簡単に設定できるよう,Red Hat LinuxやMIRACLE LINUX V2.xにはauthconfigコマンドが用意されているので,これらディストリビューションを利用している場合はauthconfig(写真1[拡大表示],2[拡大表示])を使うと良い。このコマンドが存在しないOSの場合は(SolarisやHP-UXを含む),手作業で上記ファイルを編集する。
LDAPサーバーが動作しているマシンでauthconfigコマンドを実行する場合は,サーバーを127.0.0.1と指定する。それ以外のマシンで実行する場合は,LDAPサーバーのIPアドレスやホスト名を指定する。
authconigを実行すると,/etc/nsswitc.confと/etc/openldap/ldap.conf,/etc/pam.d/system-authの内容が変更されるので,確認しよう。
●/etc/nsswitch.conf
以下の行を確認する
passwd: files ldap
shadow: files ldap
group: files ldap
●/etc/ldap.confと/etc/openldap/ldap.conf
nss_ldapとpam_ldapの設定ファイルである/etc/ldap.confを編集し,ユーザーの組織と検索ベースを正しい内容に書き換える。/etc/openldap/ldap.confファイルはldapsearch,ldapaddなどのようなコマンドライン・ツールのための設定ファイルで,これもLDAPの設定に合わせて編集する必要がある。authconfigによって,これらのHOST行とBASE行が変更されているはずであるが,さらに手作業で図3[拡大表示]のように変更を加える。