Sambaサーバーの起動
設定ファイルを用意したら,Sambaの実体である「smbd」と「nmbd」の2つのサーバーを起動する。smbdがSambaの基本機能を提供するサーバー,nmbdがWindowsネットワークでの名前解決やブラウズ・リスト交換を行うためのサーバーである。起動には管理者(root)権限で次のように作業する。
# cd /usr/local/samba/sbin
# smbd -D
# nmbd -D
このほか,図4[拡大表示]のようなスクリプトを/etc/init.dディレクトリなどに保存し,これを実行することでもサーバーを起動できる。startの部分をstopにすればサーバー停止,restartにすれば再起動できる。
# /etc/init.d/smb start
これでSambaサーバーの共有フォルダにアクセスできるようになる。Windowsクライアントのエクスプローラの「マイ ネットワーク」から「ネットワーク全体」をたどると「Microsoft Windows Network」の下に,smb.confで「workgroup =」パラメータで設定したグループ名(ここでは「MYGROUP」)が表示されている。その下にSambaサーバーがあり,共有フォルダが表示されているはずである(写真3[拡大表示])。
ちなみに,共有設定に「username =任意のSambaユーザー」を追記した場合,共有フォルダにアクセスする際にパスワードを求められるモードになる。ただしusernameとguest ok = Yesを混在させた場合は,guestでのログインを認めるのでパスワードを設定した意味がなくなってしまう。必ず「guest ok = No」と変更しておく必要がある。Sambaユーザーの登録とパスワード設定は,後述するように,Samba付属のpdbeditコマンドを利用する。
プリンタの共有設定
次にSambaサーバーに接続しているプリンタをWindowsクライアントで共有する方法を紹介する。
まず最初にLinuxでプリンタの設定を行う。プリンタ設定はディストリビューションごとに異なるが,ここではRed Hat Linux 9を例に挙げる。
Red Hat Linux 9のプリンタ設定は,デスクトップの「メイン・メニュー」から「システム設定」→「プリンタ設定」と選択して起動するGUIツールで行うと簡単だ。プリンタの新規登録には,同ツールの「新規」ボタンをクリックし,「新規印刷キューの追加」ダイアログでプリンタ名を登録した後,プリンタ・タイプの設定を行う。
プリンタをLinuxマシンに接続している場合は「ローカル接続のプリンタ」を選択する。選択後,自動的にプリンタ接続デバイスが検出される(されない場合は「デバイスを再スキャン」ボタンをクリックする)。
今回検証に利用したのはセイコーエプソンの「PM-740 DU」というUSB接続のインクジェット・プリンタである。そのため,プリンタ・デバイスは「/dev/usb/lp0」と認識された(写真4[拡大表示])。
次に「プリンタモデル」を設定する。ここでは通常,利用するプリンタ機種に合わせたプリント・フィルタ(ドライバ)を選択するが,Windowsクライアントからの印刷にはWindowsのドライバを利用するので,Linux側でフィルタを設定する必要はない。そのため「直接印刷キュー」を選択する(写真5[拡大表示])。「適用」をクリックすると設定が反映され,プリンタ・デーモンが起動する。