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バッテリ寿命よりも性能を重視

図2●NECの「LM500/5D」とソニーの「PCG-U101」のバッテリ駆動時間
LM500/5DがPentium M(1.3GHz),ソニーのPCG-U101がPentium Mコアの超低電圧版モバイルCeleron(600A MHz)を搭載する。LM500/5D,PCG-U101,いずれも試作機。Pentium Mの省電力機構を有効にしたうえで,米Ziff Davis Media社のBattery Mark 4.0を使用して計測した。

 Pentium Mの特徴は処理速度と低消費電力を両立させるアーキテクチャを採っていることだ。動作周波数と電源電圧を多段階に切り替える拡張版Intel SpeedStepと,CPUコア内で負荷のないユニットに供給する電源をオフにする機構を備える。これによりシステムの負荷に応じて無駄な電力をカットすることで,低発熱・低消費電力を実現している。

 ではPentium Mの採用で実際にバッテリ駆動時間はどこまで延びたのか。LM500/5DとPCG-U101のバッテリ駆動時間についても測定した。ただし両者とも試作機であるため,製品とは異なる可能性がある。

 バッテリ駆動時間の測定には,米Ziff Davis Media社のBattery Mark 4.0を使用した。Microsoft Officeの実行,ユーザーの思考時間をエミュレートするベンチマーク・ソフトだ。液晶の輝度については,LM500/5Dが「最低」,PCG-U101が「バックライト・オフ」の状態で測定した。PCG-U101は,半透過型液晶パネルを採用している。試用機では,室内光において画面をかろうじて視認できる程度の輝度を確保できている。直射日光下では画面が見えなくなってしまう通常の液晶パネル(透過型)と違い,むしろ見やすくなるのが特徴だ。

 バッテリ駆動時間は,標準バッテリ容量が4400mAhのLM500/5Dが4時間42分,標準バッテリ容量が2200mAhのPCG-U101が3時間22分だった(図2[拡大表示])。

 今回はCPU以外の構成が同一の環境で計測することができなかったが,4400mAhのバッテリを搭載するモバイルPentium 4-Mのノートパソコンのバッテリ駆動時間が3~4時間程度であることを考えると,バッテリ駆動時間はそれほど延びていない。実はLM500/5Dは米ATI Tecnologies社の「Mobility RADEON 9000」という高性能グラフィックス・チップを採用している。PCG-U101も仕様上は下位版の「Mobility RADEON(ビデオメモリは16Mバイト)」としているが,ベンチマーク・ソフトの表示から判断するとRADEON7500と同じグラフィックス・コアのようだ。そのぶん消費電力も大きい。Pentium Mによって稼いだ電力と熱設計のマージンをグラフィックス描画に振り分けた格好だ。そもそも,ノートパソコン全体の消費電力に占めるCPUのそれの割合は10%程度でしかない。最も電力を消費するのはおよそ3割を占める液晶パネルだ。試しにPCG-U101の液晶輝度を最高にすると,バッテリ駆動時間は2時間19分と約1時間短くなった。

(大森 敏行,高橋 秀和)