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図●SIPでNATを克服する仕組み
SIPでの呼制御では,NATは大きな障壁となる。NATの外から中の端末を直接呼び出せないからだ。「livedoor SIP フォン」では,「B2BUA(Back-to Back User Agent)」と呼ばれる専用プロキシを使うことにより,プライベート・アドレスを持つ端末同士でも通話できるようにした。端末のIPアドレス(プライベート・アドレス)をB2BUAのグローバル・アドレスに入れ替える。
 エッジが2003年12月4日に開始した「livedoor SIPフォン」は,プロバイダに縛られないIP電話サービスである。

 このサービス向けにエッジは通話端末として,固定電話タイプの「livedoor SIPフォン」(1台9800円,2台1万9000円),携帯電話タイプの「livedoor SIPフォン モバイル」(価格未定)を用意する。livedoor SIPフォンはすでに出荷しており,livedoor SIPフォン モバイルは2003年12月後半から出荷を始める。価格は2万円台後半になる見込み。いずれもWeb直販価格である。

ネット上の専用プロキシが中継

 livedoor SIPフォンはSIP(Session Initiation Protocol)で相手を呼び出す。ただし,SIPを使った通常の相手呼び出しの仕組みでは,途中にNAT(Network Address Translation)が存在するとうまく接続できない。特に,受信側がNATを利用していると,送信側が受信端末のIPアドレスを知ることができないので,そのままでは相手を呼び出せない。

 エッジはこの問題を,「B2BUA(Back-to-Back User Agent)」と呼ばれる専用プロキシを用いることで解決した。B2BUAはインターネット上にエッジが用意する。端末がNAT経由で相手端末を呼び出したり,呼び出されたりする際に,B2BUAはパケット内部に格納された端末のIPアドレス(プライベート・アドレス)を,自分のIPアドレス(グローバル・アドレス)に変換する([拡大表示])。Back-to-Backとはお互いに顔が見えないユーザー同士を背中合わせに結び付けるという意味。端末は呼び出し時も通話時もB2BUA経由でデータをやり取りする。

 エッジは今回のサービスを,無料で利用できるホームページやメールサービスの延長線上に位置付けている。オプションで050番号を用いる有料の外線接続サービスも用意しているが,「メールのトラフィックで課金するのがナンセンスなのと同様,通話料で課金するのは本来望ましくない」(エッジ 取締役の山崎徳之氏)と考えている。ビジネスとしては,IP電話の普及に伴って発生するホスティング・サービスの提供がターゲット。今後は,メールとIP電話,インスタント・メッセージングなどを統合したサービスに発展させていく考えだ。

(仙石 誠)

【お詫びと訂正】
記事掲載当初,図中の説明文に誤りがありました。お詫びして訂正します。