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表●Spotlight の特徴
画面●スマートフォルダ
仮想的なフォルダを作成し,検索条件を設定しておく。このフォルダには,条件に当てはまるファイルが集められる。検索文字列(ここでは「Nikkei」)だけでなく,ファイルの種類や作成日なども条件として設定可能。
 Mac OS Xの最新版「Tiger」の出荷が,2005年4月29日に始まった。200以上あるという新機能の中で最も特徴的なのが,デスクトップ検索機能「Spotlight」である。ファイルの名前や本文を全文検索するだけでなく,ファイルの属性情報(メタデータ)も検索対象とする。次期Windows「Longhorn(開発コード名)」が搭載を予定している新機能「WinFS」を先取りしたとも言えるものだ。

特徴的な機能は三つ

 Spotlightの基本は,パソコン内のデータに対するインデックスの作成と,それに基づく全文検索である。これ自体は「Google Desktop Search」「Yahoo! Desktop Search」などのデスクトップ検索ソフトとほぼ同じである。インデックスは,新しいファイルに対して自動的に作成される。メールを受信したり新しいファイルをコピーしたりすると,数秒後にはそれが検索できるようになった。

 だがSpotlightには,他のデスクトップ検索ソフトにはない特徴的な機能が三つある([拡大表示])。(1)キーワードで文字を入力するたび候補を絞り込む「インクリメンタル・サーチ」が可能なこと,(2)ファイルの中身だけでなくメタデータも検索対象とすること,(3)検索条件に適合するファイルを集めた「スマートフォルダ」を作成できること,である。

 このうち(2)と(3)は,WinFSが目指すところに近い。(2)のメタデータ検索は,ファイルに付随する属性情報を検索の対象とするもの。作成日やファイルの種類といった単純な属性情報だけでなく,MP3形式の音楽データに付属する音楽ジャンルやアーティスト名,デジタルカメラで撮影した画像に付属する撮影機種や撮影日の情報(Exifデータ)なども検索対象となる。例えば通常の全文検索ソフトで「バッハ」というキーワードで検索すると,この文字をファイルの名前や中身に含むものしか検索できないが,Spotlightならバッハが作曲した音楽ファイルもヒットする。

 (3)のスマートフォルダは仮想的なフォルダを作る機能で,条件に合致するファイルを集めることができる。Spotlightの検索条件をスマートフォルダに設定すれば,その条件に適合するファイルがフォルダに集められる(画面[拡大表示])。例えば違うフォルダに格納したバッハに関する文書ファイルと,バッハの音楽ファイルをまとめた仮想フォルダを作成できる。

物足りない部分もある

 一つ不満を感じたのが,検索結果の表示方法である。Spotlightでは,キーワードを含むファイルの一覧が示されるだけ。そのファイルのどこが検索条件に合致したのか確認できない。ファイルを開いた結果,そのデータがノイズだったりするとちょっと徒労感が残る。

 Spotlightの場合,検索結果にノイズが多く含まれる傾向がある。インデックス作成時に,日本語の文字列を意味のある単語単位で区切るのではなく,特定の長さで区切るn-gram方式を採用していると見られるからだ。検索漏れがなく,辞書のメンテナンスが不要というメリットはあるが,キーワードと部分的に文字が一致しているだけの語も検索してしまう。例えば「スパ」で検索すると,「スパム」や「スパイ」を含むファイルもヒットする。結果がノイズかどうか,ファイルを開かなくても確認できる仕組みが欲しくなる。

(八木 玲子)