PR

高機能PCにすれば実効速度は速くなる

図3●ギガビット・イーサネット対応ネットワーク・カードによる転送速度の違い
64ビットPCIバス接続のプラネックスコミュニケーションズ製GN-1000TEが好成績を収めている。CSAはマザーボード搭載のオンボード・チップのため,CPUやチップセット,ハードディスクが異なるため参考値として併記した。値は5回計測した平均値。

 CSAを用いればバスの構造に根ざしたボトルネックは取り払われるはず。そこで性能の高いパソコンをクライアントにして,64ビットPCIカード,32ビットPCIカード,CSA経由でのデータ転送速度を比較してみた。用意したクライアント側マシンは,66MHz動作の64ビットPCIスロットを備える日本ヒューレット・パッカードの「hp ProLiant DL380 G2」である。Express5800/56Wgのネットワーク・カードはIntel PRO/1000 T Server Adapterに固定し,DL380 G2側のネットワーク・カードを変えながら測定した。ネットワーク・カードは1万円未満で購入できるものをいくつか用意した。なお,アイ・オー・データ機器のETG-PCIは5V専用カードで測定機に装着できなかったため結果に含めていない。

 測定項目は,先ほどと同じTCP/IPのスループットとファイル転送。5回計測した平均値を採用した(図3[拡大表示])。

 Netperfの結果は,64ビットPCIカードの「GN-1000TE」(価格は8800円)が頭一つ抜き出る660Mビット秒となった。一方で,32ビットPCIカードも健闘している。Intelの「Intel PRO/1000 MT Desktop Adapter」を除いて,約600Mビット/秒の値が得られた。パソコンの能力がスループット向上に寄与することは確認できた。

 CSAはどうか。CSA接続の「Intel PRO/1000 CT」はオンボートのネットワーク・インタフェースであるため,64ビットおよび32ビットPCIカードのベンチマーク・テストとはハードウェア環境が異なる。そのためか,468Mビット/秒と奮わなかった。CPUはPentium 4 2.5GHzで,CPU使用率も60%前後であったため,処理能力不足が原因ではないだろう。ただ,スループットが402Mから527Mビット/秒の間でバラつくうえに,1000BASE-Tでのリンクが確立しないことがあるなど,動作面で不安定な印象を受けた。発売直後のマザーボードであったことから,ドライバやBIOSの面で安定していない可能性はある。

 Windowsのファイル転送では,読み出し時で約100Mビット/秒にとどまった。DL380 G2は,突然の電源断でデータが失われないように,ハードディスクのデフォルト設定は書き込みキャッシュがオフになっている。このため,読み出したファイルをハードディスクに書き込む速度がボトルネックとなったと思われる。

 書き込みでは,400Mビット/秒前後のカード群と,それ以下のカード群に分かれた。400Mビット/秒を出したカード群では,Express5800/56Wgのハードディスクの連続書き込み速度約47Mバイト/秒(約394Mビット/秒)がボトルネックとなったようだ。

図4●ギガビット・イーサネット対応スイッチ経由時のデータ転送速度(TCP/IP計測)
1対1の通信時では,スイッチがデータ転送速度に与える影響は測定誤差程度でしかない。値は5回計測した平均値。

 64ビットPCIカードGN-1000TEと32ビットPCIカードのGN-1000TCは,TCP/IP計測時と書き込み時のスループットで大きな差が出た。Netperfでは660Mビット/秒だった64ビットPCIカードGN-1000TEは,176Mビット/秒と落ちてしまった。GN-1000TCも,32ビットPCIカード中トップだったNetperfで約600Mビット/秒という値が254Mビット/秒にまで落ちている。理由ははっきりしないが,両カードともNational Semiconductor社製のコントローラ・チップを採用していることから,このコントローラ・チップと実験環境との相性によるものかもしれない。

スイッチは速度に影響しない

 カードに続いてスイッチ別の実測テストを実施した。ただし,転送速度は1対1のやり取りではどのスイッチに変えてもそれほど差はでなかった(図4[拡大表示])。この実測データは,64ビットPCIカードのGN-1000TEと,32ビットPCIカードの中で最もスループットのバラつきが少なく安定した計測結果が得られたメルコ製「LGY-PCI32-GT」,およびCSA接続のIntel PRO/1000 CTを使い,スイッチを変えて計測した。

 個々のスイッチで差が出ない理由としては,低価格スイッチの多くが,台湾TAMARACK Microelectronics社製(2002年10月に台湾IC Plus社と合併)のコントローラ・チップを採用しているためだと見られる。

 バッファ・メモリーによる速度差もほとんどなかった。「バッファ・メモリーが効くのは100BASE-TXとギガビット・イーサネットを混在させるなど,マシンに速度差がある場合」(メルコ ブロードバンドソリューションズ事業部マーケティンググループの柚木原功氏)との指摘がある。速度差をバッファ・メモリーで吸収するため,スループットに違いが出る。ギガビット・イーサネット機器のみであれば「コントローラ・チップの処理能力が高ければ問題ない」(エレコム商品開発部ペリフェラルグループラニードチームの矢島祐二リーダー)との見方が一般的である。