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ハードディスクのサイズが変わる

表2●ハードディスク・光ディスク・インタフェース関連の仕様の読み方
図3●ドライブの容量表記とOS上の容量表記が異なる理由
ハードディスクや光学式ドライブでは1000倍で繰り上げるのに対して,OSでは1024倍で繰り上げる。
図4●JIS規格X6002-1980が定めるキーボードの配列

 表2[拡大表示]は,ハードディスクや光ディスクといったストレージと,入力機器の仕様表記の例である。一般に表1のCPUやチップセットといった仕様に続くものだ。これらの項目で分かりにくい点は二つある。(1)同じ「Gバイト」「Mバイト」でもケタ上がりの方式によって見かけ上の容量が変わること,(2)キーボードの仕様に見られる「JIS配列」や「OADG準拠」といった表記をどう解釈していいか分からない,という2点だ。

 まず,(1)のハードディスクの場合で見てみよう(図3[拡大表示])。ハードディスク・メーカーは,1Gバイトを1000×1000×1000バイトで換算した値をカタログ値として表記する。ケタの繰り上がりは,1000バイトで1Kバイト,1000Kバイトで1Mバイト,1000Mバイトで1Gバイトになる。

 ところがOSでは,1Gバイトを1024×1024×1024バイトで換算する。コンピュータのメモリー・アドレスを2進数で指定する以上,メモリー管理が主な役割であるOSにとって210でケタが上がる方が都合がよい。ケタの繰り上がり方は,1024バイトで1Kバイト,1024Kバイトで1Mバイト,1024Mバイトで1Gバイト,といった具合になる。ユーザーが60Gバイトのドライブのつもりで60Gバイトのデータを収めようとすると容量が足りない,という事態を招く。

規定がゆるやかなキーボード配列

 (2)のキーボードの仕様を規定する仕様表記は,「JIS配列」や「OADG仕様」といった規格に準拠する旨を明記するメーカーが多い。これはデスクトップ・パソコンでもノートパソコンでも同じである。しかし実際のキーボードを見てみると,デスクトップ・パソコン用のキーボードが「End」や「Home」といったキーを個別に備えているのに対し,ノートパソコンのキーボードは「←」と「Home」,「→」と「End」といった具合に複数のキーを多重化している。実際のキー配列はJIS配列やOADG仕様を明記する要件に入らないためだ。

 まずJIS配列は,JIS X6002-1980で規定されるキーボードのキー配列,およびそれに準拠したキーボードを指す。1つのキーには,3~4文字が割り当てられており,「英数」キーと「仮名」キーまたは「英数/仮名」キーを使って入力する文字を切り替える。ただJIS X6002-1980は,今となっては見かけないキーを含んでいる(図4[拡大表示])。ホストコンピュータと端末の間で,「STX テキスト ETX」の形でテキストを入力していた名残である。

 もちろん,今ではパソコンのキーボードにこれらの制御キーを備えるものはない。JIS配列と表記するキーボードであっても,「STX」や「ETX」といったキーはない。JIS Xでは,付帯規則として「けん盤配列を適用するときには,その目的及び用途に応じて図形文字又は制御文字の一部を削除して使用することができる」という文言があるため,準拠の意味はゆるやかなものとなっている。

 JIS配列と並んでしばしば表記に使われる「OADG準拠」は,PCオープン・アーキテクチャー推進協議会(PC Open Architecture Developer's Group)という業界団体が規定したキーボード仕様に沿っているという意味だ。OADGは日本IBMが中心となって1991年に発足した同社のDOS「DOS/V」の普及促進団体である。OADGの「テクニカル・リファレンス(ハードウェア)」は,いわゆる英語キーボードの「101」や日本語キーボードの「109A」の配列を記した項を設けている。パソコンで使われるのは109A。JIS配列を中心に,「Page Down」や「Alt」といったキーを追加した仕様だ。Windowsのスタート・メニューを表示する「Windowsキー」やマウスの右クリックに相当する「アプリケーション・キー」についても,任意に追加できる「追加キー」の一部として言及している。キーボードを設置するスペースに乏しいノートパソコンや設置面積を抑えたデスクトップ・パソコン向けのキーボードでは,左右いずれかのWindowsキーがないものがあるが,OADG準拠をうたうことに問題はない。OADGのテクニカル・リファレンスにおいてもJIS X6002-1980と同様に,「キーボード自体は固有部分であり,システムにより異なります」というメーカーによる配列の自由度を許容する付記がある。

(高橋 秀和)