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今月の回答者

初級
高橋 秀和 : 日経バイトBest Way担当
中級
森川 浩道 : NECソフト ICTシステム事業部 Windows Solution Center

Q 初級:
Windows XPのレジストリを最適化したい

Windows XPのユーザーです。インストールから2年ほどが経過し,レジストリ・ファイルの肥大化が気になってきました。Windows 98のときは最適化ツールとしてscanregが付属していましたが,Windows XPには見当たりません。OS標準の最適化ツールはないのでしょうか?

A
画面●Lars Hederer氏作のレジストリ最適化ツール「NTREGOPT」
不要な項目を削除することでレジストリのファイル・サイズを小さくする。
Windowsのバージョンにかかわらず,OSの構成を記録するデータベースであるレジストリ・ファイルは,OSの起動時や動作中に頻繁に参照されます。そのため,参照されなくなったレジストリの領域を削除する「最適化」によってレジストリ・ファイルのサイズを小さくすることで,OSやアプリケーションの起動速度の向上が期待できます。

 ただパソコンの高性能化に伴い,レジストリ・ファイルの肥大化がOS全体のパフォーマンスを左右する場面は少なくなってきています。レジストリ・ファイルの最適化によってOSやアプリケーションの動作に不具合が出る可能性を考慮すると,なるべくレジストリ・ファイルに手を加えない方が無難です。比較的副作用が少ない最適化ツールとして知られているものとしては,Lars Hederer氏作の「NTREGOPT」があります。Windows NT/2000/XPのレジストリ・ファイルのサイズを最適化するツールです。NTREGOPT.EXEを実行するだけで,自動的にレジストリ・ファイルが最適化されます。(画面[拡大表示])。

 サポートの面で不安を感じるのであれば,メーカー製の最適化ユーティリティを利用するのも手でしょう。インターコムの「SuperXP Utilities Pro」やエー・アイ・ソフトの「DiskX Tools Ver.9」,ライブドアの「XPturboII」などのシステム・ユーティリティ製品がレジストリの最適化機能を搭載しています。レジストリの最適化機能のみが必要であれば,XPturboIIからレジストリ最適化ツールを含むシステム関連の機能を抜き出した「XPturboIIシステム」版が便利です。XPturboIIシステムは1029円でダウンロード販売されています。

(高橋)

Q 中級:
Windows XP Home Editionは仕事で使えるか?

Windows XP Home Editionがプリインストールされたノートパソコンを購入する予定です。Windows NTでネットワークを構築しているのですが,Home EditionではWindowsドメインに参加できないようです。また,この他の利用できない機能のうち,業務利用で支障が出る機能にはどんなものがあるのでしょうか?

A

表●業務利用を想定した場合のWindows XP Home Edition と同Professional の主な機能差
Windows XP Home Edition(以下,XP Home)は家庭での個人使用を想定した設計となっているため,企業ユーザー/ハイエンド・ユーザー向けの製品として位置付けられているWindows XP Professional(以下,XP Pro)と比較すると,一部の機能が簡略化されています。Windows XPの機能全体からすれば一部ではありますが,業務で利用するには欠かせない機能が少なくありません。ご質問にありましたドメインへの参加制限以外にも,セキュリティやネットワーク周りの機能を中心に機能差があります([拡大表示])。

共有フォルダ/ファイルのアクセス制御機能がない

 XP Homeを業務で利用するうえで最大の弱点と言えるのが「共有フォルダのアクセス制御」機能がないことです。XP Proでは,共有フォルダへのアクセスをユーザー・アカウントとパスワードによる認証で制御できます。旧版のWindows 98やWindows Meでさえ共有フォルダへのパスワード設定がサポートされていましたが,XP Homeではこのような機能は提供されていません。以前に流行したNimdaやBugbearなどのワームのように,セキュリティ設定のされていない共有フォルダを媒介して感染を広げるタイプのウイルスも数多く確認されています。共有フォルダのアクセス制御は,仕事に使う大切なパソコンやデータをウイルスの脅威から守るための基本的な対策です。この機能なしに共有フォルダを利用するのは望ましくありません。

ノートパソコンならオフライン・フォルダとEFSが欲しい

 XP ProにあってXP Homeにない機能のうち,ノートパソコンで有用な機能として挙げられるのが「オフライン・フォルダ」と「暗号化ファイル・システム」です。オフライン・フォルダは,指定した共有フォルダのファイルを自動的にキャッシュ・ファイルとしてローカルに保存する機能です。例えば,ネットワーク障害の発生時や外出先での利用といった一時的にファイル・サーバーに接続できない状況でも,あたかもファイル・サーバー上の共有フォルダに接続しているかのようにファイルの読み書きができます。

 暗号化ファイル・システム(EFS:Encrypting File System)は,ファイルやフォルダの内容を暗号化することで自分または自分が許可したユーザー以外からファイルの内容を読み出されないように保護できます。ファイルの暗号化は紛失や盗難の危険にさらされる頻度が比較的高いノートパソコンでは必須とも言える機能です。ノートパソコンの用途がモバイル主体であれば,XP Homeでは力不足と言えるでしょう。

 お使いのノートパソコンがデスクトップの代替として常にオフィスの机上にあるケースでは,XP Proの「リモート・デスクトップ」機能が威力を発揮するかもしれません。リモート・デスクトップが稼動するパソコンのデスクトップ画面を,他のパソコンのリモート・デスクトップ・クライアント・ツールに映し出す機能です。例えば,自宅にいる時にオフィスのパソコンに保存した仕事関連のデータを取り出す必要が生じた場合でも,XP Proのリモート・デスクトップに接続することでオフィスのパソコンを遠隔操作し,必要なデータを自宅のパソコンへ転送できます。ダイアルアップによるRAS(Remote Access Server)やVPN(Virtual Private Network)といった社内のパソコンに外部からアクセスできる回線が用意されている環境であれば,XP Proに乗り換える価値はあります。

 総じてXP Homeは,XP Proとの比較においてネットワークおよびセキュリティ機能の面で見劣りします。Windowsドメインによるネットワーク管理とフォルダ/ファイル共有を利用しており,機密情報の外部への持ち出しが想定される用途であれば,XP Proへのアップグレードを検討した方が無難です。一方スタンドアロン環境で利用するパソコンであれば,XP Homeであっても十分業務に活用できると考えられます。

(森川)