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センサーネットがロボットとの共存の礎を築く

写真●センサーネットでロボットを支援する実験
大阪大学大学院 工学研究科 知能・機能創成工学専攻石黒浩教授の研究室の様子。センサーネットによって部屋にいる人の数や動きを観察し,人の状態や意図を解析する。現時点で「本を取ろうとしている」「座っている」など人間の状態をレポート可能な水準まで到達した。

 人間型ロボットは盛んに研究されているが,「鉄腕アトム」のようなロボットはまだ夢物語である。「人間型ロボットは,自身が持っているカメラやマイク,赤外線などのセンサーだけでは満足に動けない」(東京大学大学院 情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻の佐藤知正教授)からだ。

 例えば,机の上にあるカップを取るという動作。人間なら簡単だが,ロボットにはカップの大きさ,硬さ,重さ,位置などを正確に与えないと,適切に扱えない。強い力を入れすぎると,壊してしまうし,力が弱過ぎると持ち上げられない。

 また「人間型ロボットに人を支援させようと考えた場合,人間が何をしているのかを多面的に推測する必要があるが,本体のセンサーだけでは情報量が足りない」(大阪大学大 学院 工学研究科 知能・機能創成工学専攻の石黒浩教授)。

 だからロボットの研究者はセンサー・ネットワークに期待を寄せる。家全体に張り巡らされたセンサーを使って情報を取得すれば,ロボット単体では足りない情報を補える。そうすれば,人のように動作する人間型ロボットを作り出せる可能性が広がる(写真)。

 家だけでなく,屋外でもセンサー・ネットワークが構築されていけば,やがて「アイ,ロボットという映画のように街中をロボットが歩く世界になる」(ソニーコンピュータサイエンス研究所の田村陽介アシスタントリサーチャー)かもしれない。

中道 理