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WebサイトのURLとして日本語の社名や電話番号などを使えるようにする企業向けサービスが続々と登場している。アルファベットを使う従来のURLに比べて覚えやすく,記述も簡単なので,初めて訪れるWebサイトでも容易にアクセスできることが特徴。サービスを利用する企業は,紙媒体の広告などを見たユーザーを自社のWebサイトに誘導しやすくなる。今後は電子商取引などに不可欠なサービスとして大きな注目を集めそうだ。

表1●Webブラウザのアドレス欄に日本語や数字のURLを入力してホームページにアクセスできるようにするサービス。アルファベットのURLに比べて簡潔なため,覚えやすく入力しやすい
 Webサイトへの集客力を高めたいと考えている企業を狙った新しいサービスが,今年半ばから来年にかけて相次いで始まる(表1[拡大表示])。Webブラウザで指定するURL(ユニフォーム・リソース・ロケータ)を,日本語や簡単な数字で記述できるようにするサービスだ。

 これらを利用すれば,企業は自社のWebサイトのURLとして,社名や商品のブランド名,電話番号などを使うことができる。URLが覚えやすいので,インターネット・ユーザーは初めて訪れるWebサイトでも簡単にアクセスできる。サービスを利用する企業にとっては,紙媒体の広告などを見たユーザーを自社のWebサイトに誘導しやすくなる利点がある。ソニー,ソフトバンク,米マイクロソフトなどの有力企業も,今後こうしたサービスが電子商取引で重要な役割を果たすと見て,一部のサービス提供企業に出資しているほどだ。

日本語ならではの覚えやすさと訴求力 

 URLは通常,Webブラウザの“アドレス・バー”で指定する。表1のサービスは,指定する情報の種類によって,大きく三つのタイプに分けられる。(1)URLを構成する「ドメイン」名に日本語(社名やブランド名など)を使えるもの,(2)企業があらかじめ登録しておいた日本語の「キーワード」を入力するもの,そして(3)電話番号や商品番号といった特定の数字を指定するもの,である。このうち,最近大きな動きがあるのは(1)と(2)だ。

 日本語のドメイン名を使える(1)のサービスとして,すでに実績のあるインターネットワンジャパン(東京都新宿区)の「日本語ドメインインデックス」を紹介しよう。このサービスは提供開始から7カ月で,登録ドメイン数が約7000に達したという。

 図1[拡大表示]の左は,東京全日空ホテルが作成した宿泊プランのパンフレットの一部である。インターネットで宿泊の予約を受け付けるために,2種類のURLが記載されている。一つはアルファベットを使った通常のURL。もう一つは,「日本語ドメインインデックス」を利用した「http://東京全日空ホテル.jp.io」だ。Webブラウザのアドレス・バーにどちらのURLを指定しても,同じWebページ(図1の右)が表示される。

 二つのURLを見比べると明らかなように,日本語を使ったURLの方が直感的で覚えやすく,文字数も少ない。「特にパソコンの初心者をWebサイトに誘導するうえで訴求力がある」(インターネットワンジャパンの大石猛取締役)。

原則として特別なソフトは不要

図1●日本語で記述できるURLの例。「http://東京全日空ホテル.jp.io」という簡潔で分かりやすいURLを使えるようにすることで,東京全日空ホテルはパソコンの苦手な顧客を自社のホームページに誘導しやすくなる
 日本語ドメインインデックスを利用している企業のWebサイトには,通常はWebブラウザさえあればアクセスできる。Webブラウザで日本語URLを指定すると,末尾のドメイン名の「io」に従って,いったんURLがインターネットワンジャパンのサーバーに送られ,通常のURLに変換されてから戻される。続いてWebブラウザは,通常のURLを使って自動的に目的のWebサイトにアクセスする。

 ただし,ファイアウオール製品の中には日本語混じりのURLが正しく通らないものがある。そのような場合は,同社が提供している専用のプラグイン・ソフトをWebブラウザにインストールする必要がある。

 インターネットワンジャパンは,企業が日本語のドメイン名を公平に取得できるようにするため,著名な企業名やブランド名は,それらを所有する企業だけに割り当てることにした。その一方で,一般的なドメイン名は,複数の企業が共有できるようにした。例えば「国際通信工業社」と「国際通信ネットワーク社」は,いずれも「国際通信.jp.io」というドメイン名を利用できる。Webブラウザで「国際通信.jp.io」を指定すると,二つの候補(国際通信工業社と国際通信ネットワーク社)が日本語で表示されるので,ユーザーはその中からアクセス先を選べばよい。

 URLに日本語のドメイン名を使えるサービスとしては,日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC,東京都千代田区)も「多言語ドメイン名」という名称で提供することを検討している。JPNICは,末尾が「.jp」で終わる国内のドメイン名を割り当てて管理している社団法人。アジア諸国の関連機関と協力して標準化を進め,2001年3月までにサービスを開始する予定だ。米i-DNS.netインターナショナルも2000年5月に,アスキーなど国内3社と提携し,同様のサービスを提供する予定であると発表した。

キーワード検索と同様の操作性

図2●リアルネームズジャパンの「Internet Keyword」サービス。ポータル・サイトの「MSN Japan」と連携し,WebブラウザにはInternet Explorerを利用する。インターネット検索エンジンでホームページを検索するのと同様に,登録されたキーワードをInternet Explorerのアドレス・バーに入力するだけでホームページにアクセスできる
 日本語のキーワードでWebサイトにアクセスできるようにするサービスが,リアルネームズジャパン(東京都港区)の「Internet Keyword」だ。例えば,トヨタ自動車が「トヨタ」というキーワードをリアルネームズジャパンに登録しておくと,Webブラウザのアドレス・バーに「トヨタ」と入力するだけでトヨタ自動車のWebサイトにアクセス可能になる。「http://」や「.jp」などを記述する必要はない。

 リアルネームズジャパンは米マイクロソフトの出資を受けており,Internet KeywordはWebブラウザとしてInternet Explorer(IE)を使うことを前提にしている。WebブラウザがNetscape Navigatorの場合は,同社が提供するプラグインをインストールする必要がある。

 IEは標準機能で,アドレス・バーに通常のURLではない単語が入力されると,自動的にマイクロソフト(東京都渋谷区)のポータル・サイト「MSN Japan」の検索エンジンを使って関連するWebサイトを検索することができる。リアルネームズジャパンはこの機能を利用し,IEからMSN Japanに送られたキーワードを自社のサーバーに転送してもらい,そのキーワードが登録されている場合は,関連するWebサイトのURLをIEに送り返す。続いてIEが,このURLを使って目的のWebサイトにアクセスする。

 知名度の高いブランド名などを複数の企業がキーワードとして登録しようとした場合,同社は該当する企業にしか登録を認めない。ただし,「知名度の高くないブランド名を巡って複数の企業が争っているときは,リアルネームズジャパンが検討して1社に割り当てる」(山田健雄代表取締役)。

電話番号だけでWebサイトにアクセス

 電話番号など,数字を入力するだけでWebサイトにアクセスできるようにしたのは,インターネットナンバー(東京都新宿区)が提供する同名のサービスだ。Webブラウザのアドレス・バーに数字を入力するだけで,あらかじめ登録されたWebサイトにアクセスできる。同社には,ソニー,ソフトバンク,三和銀行などが出資している。

 企業がこのサービスを利用する方法は主に二つある。一つは,電話番号(10桁)を自社のWebサイトに関連づけて登録する方法だ。利用料金が1万2000円/年と安いため,登録件数はすでに6万件もある。もう一つは,2~4桁の番号を企業ごとに割り当てる方法である。実際に登録されている例を見ると,KDDの「001」,日本航空の「250」(ニッコー),アデランスの「9696」(クログロ)などがある。

 2~4桁の番号を利用する場合は,オプションで枝番号を登録することもできる。例えば,登録番号「5550」に3桁の枝番号を付ける場合の書式は,「5550#999」といった形になる。「多くの商品を扱う電子商取引サイトなどで,各商品のWebぺージを枝番号に対応づけると便利だ」(名和正夫社長)。

 インターネットナンバーを利用するには,Webブラウザに専用のプラグインをインストールする必要である。同社はNEC,富士通,日立製作所に協力を要請し,プラグインをプリインストールした状態でパソコンを出荷してもらっている。今後,ソニー,コンパック,日本アイ・ビー・エムのパソコンにもプリインストールしてもらう計画である。

(渡辺 享靖)