マイクロソフト(東京都渋谷区)は2001年初めに,企業ユーザー向けの文書管理サーバー・ソフト「Tahoe(開発コード名)」を出荷する。Tahoeは,企業ユーザー内に散在している各種の文書ファイルを検索・分類する機能と,複数人で一つの文書ファイルを共同作成する機能を備える。これら二つの機能を持つ製品は初めて。
マイクロソフトはTahoeの価格を相当な安価に設定する方針。これにより,これまで文書管理とはあまり縁がなかった一般企業への普及を目指す。詳細は今後詰めるが,最小構成で数10万円程度に設定する可能性が大きい。正式出荷に先だって,この9月から公開テスト版(β2)を国内で配布する。
マイクロソフトはTahoeの用途として,社員の日常業務に必要なデータを一つにまとめたWebサイト,いわゆる「企業内ポータル・サイト」の構築を挙げる。Tahoeの検索・分類機能を使うと,社内通達文書を重要度順や関連分野別に表示するポータル・サイトを短期間で構築できるという。
来年初めに登場する正式な製品で検索・分類機能の対象になるのは,Office形式の文書ファイル,テキスト・ファイル,HTMLファイルの3種類になる見通し。さらにマイクロソフトは,PDF(ポータブル・ドキュメント・フォーマット)ファイルやXMLファイルも処理できるようにしていく。これらの文書ファイルは,ファイル・サーバーやWebサーバー上にあってもよいし,マイクロソフトのExchangeやロータスのノーツ ドミノに蓄積されていても構わない。もちろんTahoeの文書データベースに格納した文書ファイルも検索・分類の対象になる。
Tahoeのもう一つの機能である,文書ファイルの共同作成支援機能は,この文書データベース内のファイルに対してだけ働く。一つの文書を複数ユーザーが共同で編集したり,変更履歴を管理できるようになる。