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大手ソフト会社が,サーバー・ソフトの新しい価格体系を一斉に導入し始めた。マイクロソフトと日本オラクルは9月に,ソフトを稼働させるサーバーのプロセサ数に応じた価格体系を発表。日本IBMも10月に,メインフレーム向けソフトの価格体系を変更し,各ソフトが実際に使用するプロセサ性能に応じて課金するようにした。クライアント数を把握できない,必要な処理性能を見極めづらい,といったWebシステムの特性に対応する狙いだ。

 マイクロソフト(東京都渋谷区)は9月1日,同社のサーバー・ソフトに,「プロセッサ ライセンス」と呼ぶ新しい価格体系を導入すると発表した。対象は,ネット・ビジネス対応の基幹業務システムを構築するためのミドルウエア群「Microsoft .NET Enterprise Servers」。10月末に出荷を始めるデータベース「SQL Server 2000」から順次適用していく。クライアント数によって価格が決まる従来の価格体系と違い,各ソフトが稼働するサーバーのプロセサ数に応じて課金する。

 日本オラクルも,9月7日に発表したWebアプリケーション・サーバー「Oracle Internet Application Server 8i Standard Edition(Oracle iAS SE)」に,新しい価格体系「プロセッサー・ライセンス」を適用すると発表した。マイクロソフトと同様,Oracle iAS SEが稼働するサーバーのプロセサ数に応じて価格を決める。

図1●マイクロソフトがサーバー・ソフトに新しい価格体系「プロセッサ ライセンス」を導入した背景。Webシステムでは,サーバー・ソフトにアクセスするクライアント数を把握できない。そのため,サーバーに対する「サーバー・ライセンス」とクライアントの数に応じた「クライアント・アクセス・ライセンス(CAL)」で構成する従来の価格体系はなじまない

 メインフレームの世界でも,ソフトの価格体系の見直しが始まった。日本アイ・ビー・エムは10月4日,メインフレームで動作するOSの「zOS」やデータベース「DB2 UDB」,グループウエア「ドミノ」といった主要ソフトを対象に,使用するプロセサ性能に基づく新しい価格体系「ワークロード使用料金方式」を発表した。

Webシステムの普及がきっかけ

 マイクロソフトと日本オラクルが,サーバーのプロセサ数に基づく価格体系の導入に踏み切った背景には,企業がネット・ビジネスのために本格的なWebシステムを構築し始めた,という事情がある。その結果,従来の価格体系だけでは不都合が出てきた。

 マイクロソフトの従来の価格体系は,サーバー・ソフトを動かすサーバーに対する「サーバー・ライセンス」と,サーバー・ソフトにアクセスするクライアントの数に応じた「クライアント・アクセス・ライセンス(CAL)」で構成していた(図1[拡大表示])。加えて,不特定多数の利用者がインターネット経由でサーバー・ソフトにアクセスし,クライアント数を把握することが事実上不可能なWebシステムを想定して,CALの代わりとなる「インターネットコネクタ・ライセンス」も用意していた。しかし,「例えば,利用者がインターネット経由とLAN経由の両方でSQL Serverにアクセスするシステムでは,企業は3種類のライセンスを購入する必要があり,契約内容が複雑になるなど不便だった」(マイクロソフトの黒崎純一製品マーケティング本部マネージャ)。

 一方,日本オラクルはこれまで,Oracle iAS SEの価格を,同ソフトを動かすサーバーの数を基に設定していた。しかし,大規模なWebシステムの構築に取り組む企業が増えるにつれ,プロセサ数が多い大型サーバーを使っても,プロセサ数が少ない小型サーバーを使っても価格が同じ,という問題が浮かび上がってきた。

(森 永輔)