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2000年に入り次々に大口案件を獲得し,売り上げも前年比倍増を見込むなど絶好調のSAPジャパン。同社は今,導入コンサルタントを支援する情報システムの構築や,個別のプロジェクトの費用や期間をユーザー企業に開示するという情報サービス業界では前例のない仕組み作りなどを急いでいる。狙いはコンサルタント不足やパートナ企業の教育が不十分といった長年の課題を,解決すること。それができなければ次なる成長は不可能という危機意識が背景にある。

表1●2000年に入ってからR/3の導入を決めた企業が多い業種と企業名

 「市場参入から1999年までが第1の成長期だとすると,現在は第2の成長期に入った」-。SAPジャパンの藤井清孝社長は,2000年に入って業績が急伸している状況を,こう表現する。「2003年度には1000億円企業にする」と,今後の目標に関しても強気だ(31ページの「2003年度には1000億円企業に」を参照)。

 事実,SAP R/3のユーザー企業はここへきて急増している。もともと強かった化学や医薬品などの業種に加えて,商社や電力といった業種の主要企業が相次いでR/3の導入を決めた(表1[拡大表示])。商社では1996年以来のユーザーである三菱商事を皮切りに,今では丸紅,三井物産,伊藤忠商事,住友商事の,いわゆる5大商社すべてがR/3ユーザーになった。電力でも2000年3月に関西電力への大型案件を決めたほか,九州電力,北陸電力の獲得に成功した。

2000年度は売上高300億円超に

図1●SAPジャパンが抱える主な問題点。特に人材不足に起因する問題が多い

 必然的にSAPジャパンの業績は急拡大している。同社は売上高を公表していないが,2000年度上半期(2000年1~6月)は,前年同期に比べ倍増の160億円超に達したと見られる。下半期も同じペースで推移すれば,2000年度は300億円の大台に乗る計算だ。そうなると藤井社長が掲げる,2003年度に1000億円企業という目標も,あながち夢物語とは言えない。年率150%以上の成長を3年間維持すれば達成可能であり,活況を呈するIT業界ではこの伸び率は決して珍しくないからだ。

 しかしSAPジャパンがこの成長を維持するためには,解決すべき課題がいくつかある。R/3の導入に携わるコンサルタントやエンジニアの人材不足,短期導入を阻害する「アドオン」開発がなかなか減らない,などだ(図1[拡大表示])。これらを解決できなければ,最悪の場合,「カット・オーバーが遅れる」,「システム構築費用がかさむ」といった問題につながり,ひいてはR/3ユーザーの増加にブレーキをかけてしまう。

(井上 理)