米国のWebインテグレータ最大手が相次いで日本市場に上陸した。米サイエントは日本法人を,米マーチファーストは電通との合弁会社を通じて,それぞれ国内での営業活動を開始する。両社とも,電子商取引(EC)に関する事業戦略の立案から,システムの構築までを一貫して支援することを売り物にする。

表●日本市場に新たに参入したWebインテグレータの概要
 米サイエントの日本法人「サイエント(東京都港区)」は今年11月1日から,マーチファーストと電通の合弁会社「電通マーチファースト」は来年1月からサービスを開始する([拡大表示])。今回のサイエントとマーチファーストの日本上陸で,米国で活動しているWebインテグレータの大手企業は,ほとんどすべて日本に進出した。米国で両社と競合している米IXLや米レーザーフィッシュ,米セピエントはすでに国内で営業活動をしている。

 先行各社と同じく,サイエントと電通マーチファーストは,Webサイトの構築支援だけでなく,Webビジネスのコンサルティングや,Webを利用したブランド戦略,ユーザーの使いやすさを考慮したWebサイトのデザインまでを一貫して請け負う。「こうした一貫サービスを利用することで,顧客は短期間にインターネット・ビジネスに参入できる」と主張している点も共通する。

 例えば,サイエントは,最長でも6カ月間で,事業戦略の立案からWebサイトの構築に至る作業をすませることを約束する。「当社のコンサルタントの料金は他社のコンサルタントよりも高い。だが,その分,迅速にインターネット・ビジネスを開始できる。結果として,お客様は投資額を抑えられるはずだ」(サイエントの東公明社長)とする。

 このほかサイエントは,Webサイトのユーザビリティ(利用しやすさ)に関するコンサルティングも手がける。こうした特徴を前面に押し出すことで,日本市場の開拓を目指す。具体的な売り上げ目標は公開していない。

 一方の電通マーチファーストは,マーチファーストの顧客である外国企業の日本法人に加え,電通の顧客である大手企業などに向けて,販売活動をする。米マーチファーストのロバート・バーナードCEO(最高経営責任者)は「日本最大の広告代理店である電通と手を組むことで,一気に顧客を拡大できる」と目論見を語る。電通国際情報サービス(東京都中野区)や電通テックをはじめとする,情報技術(IT)関連の事業を手がけるグループ企業とも協力しながら事業を進める。初年度の売り上げ目標は8億5000万円で,2003年に単年度黒字化を目指す。

 電通マーチファーストの売り物は,Webインテグレータとしての総合力。グループ企業と協力しながら,コンテンツ制作,Webサイトの利用者を対象にしたCRM(カスタマ・リレーションシップ・マネジメント)システムの構築やサイトの保守・運営まで,幅広く手がける。

 マーチファーストと合弁会社を設立した電通は,広義のWebインテグレーションの国内市場規模は2001年には2兆8000億円,2002年には4兆3000億円に達すると試算している。

(中村 建助,森 永輔)