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 富士通,NEC,日立製作所の2000年度上半期(2000年4月~9月)のコンピュータ部門連結売上高はいずれも前年同期比で減収となった。国内需要が思いのほか回復せず,とりわけハードの売り上げが伸び悩んだ。このため,各社とも大きく落ち込んで2ケタの減収となった海外事業を補えなかった。

 「西暦2000年問題のために凍結されていた情報化投資が,今春から回復すると予想していたが,思ったほどは回復していない」(富士通の高谷卓専務)。「上半期に国内売上高は5%程度拡大すると予想していた。現実には3%程度の伸びにとどまった」(NEC幹部)。国産大手メーカー3社のコンピュータ事業が減収に陥った原因は,あてにしていた国内市場の伸びが予想に反して低かったことにある。

 特に民間企業の情報化投資が伸び悩んだ。「民間企業の情報化投資は,ようやく製造業が立ち上がり始めたところ。消費低迷の影響か,流通・サービス業の回復は遅れている。合併などによりシステム統合プロジェクトが相次いでいる金融業は情報化投資が活発で,多数のSEを投入している。しかし,プロジェクトの途中なので売り上げにまだ貢献していない。官公庁の需要でなんとか下支えしているが,こちらも売上高の計上が下期になる案件が多い」(NECの金杉明信専務)。

 情報化投資の伸び悩みは,ハード事業に大きく影響した。富士通のハード事業の国内連結売上高は前年同期比2%減の4531億円,NECは同5%減の7005億円にとどまった。日立はハード事業の売上高を公表していないが,受注台数で見るとUNIXサーバーが横ばいの1400台,パソコン・サーバーが7%減の1万3000台だった。

 ただし,パソコンだけは,インターネットを追い風に個人向け製品を中心に販売が伸びた。NECの国内パソコン出荷台数は25%増の179万台,富士通も17%増の135万台を出荷。日立は3%増の29万7000台だった。

 一方,3社の海外事業は重症で,軒並み20%前後の減収を記録した。富士通と日立は,北米市場におけるIBM互換メインフレーム事業が足を引っ張った。富士通の北米における販売会社である米アムダールの売上高は,前年同期比17%減の7億4100万ドル(約793億円),損益は9600万ドル(約103億円)の赤字。日立のIBM互換メインフレームの受注は,前年同期の実績よりも約60%減り,250台弱にとどまった模様だ。

 NECの海外事業の減収は,米NECコンピューターズ(旧パッカードベルNEC)のパソコン販売不振が最も大きな要因だ。米NECコンピューターズのパソコン出荷金額は前年同期比29%減の851億円に落ち込んだ。

 ただし,3社とも2000年度通期(2000年4月~2001年3月)の売上高については,情報化投資の回復が進み,1~2%程度の増収になると見込んでいる。富士通は,「電子商取引サイトなどインターネット関連のシステム開発案件の受注が順調で,下期に貢献する」と見ている。

(森 永輔)

会社名 売上高 うち外部向け
売上高
営業利益 2000年度
通期売上
計画
同左
(年度初め)
国内 海外
富士通 17410
(▲6%)
10830
(4%)
5050
(▲20%)
661
(▲17%)
40000
(2%)
40700
(3%)
NEC 10060
(▲3%)
7860
(3%)
1570
(▲26%)
297
(118%)
23200
(2%)
23200
(2%)
日立製作所 7950
(▲1%)
6450*
(4%)
1500*
(▲19%*)
45
(▲78%)
16900
(1%)
17200
(3%)
表1●国産コンピュータ・メーカー3社の2000年度上半期コンピュータ部門の業績。数値は連結決算のもので単位は億円。カッコ内の数字は前年同期比の伸び率。▲はマイナス
*本誌推定,内部向け売上高も含む