●Web-EDIの普及が進んでいる。取引先ごとに専用のシステムと端末を利用する従来型のEDI(電子データ交換)に代わるものだ。

●Web-EDIのシステムは,端末側にWebブラウザさえあれば利用できるので,コストをかけずに接続企業を増やせるメリットがある。

●従来型のEDIから徐々にWeb-EDIに移行し,ゆくゆくはすべての取引先とWeb-EDIで接続したいと考える企業も出てきた。

 「松下電器産業は2002年度までに,全購入金額の99%を占める約3000社の部品メーカーのうち1200社程度とWeb-EDIシステムで接続する計画」,「富士通は同社の調達業務においてWeb-EDIの利用を促進し,2001年3月までにすべての取引先にWeb-EDIを適用する」―。

図●今回取り上げる「Web-EDI」の位置づけ
接続先ごとに固有のシステムを構築する従来型のEDIに比べて,一度構築すれば複数の取引先との接続に利用できるWeb-EDIは導入コストが安い。Webブラウザを通じて容易に利用できるので,運用負荷も軽減する

 今年に入って,大手電機メーカーなどが取引先との接続手段にWeb-EDIを採用し,利用を拡大するといったニュースが相次いだ。Web-EDIとは,インターネットとWebサーバーを利用して,取引先との間で受発注などのデータをやり取りする新しい企業間取引(BtoB)の形態である([拡大表示])。

 これまで大手メーカーや商社などは,部品・資材や製品の調達を効率的に行うために,VAN(付加価値通信網)や専用線を経由したEDI(電子データ交換)を使って受発注データのやりとりを行ってきた。

 ところが,こうした従来型のEDIは,企業が固有に持つ在庫管理システムなどを相互に直接つなげる取引形態のため,接続部分のシステムを取引先ごとに構築する必要があった。その結果,EDIで接続する取引先が増えるにしたがってコストがかさむという課題を抱えていた。加えて,情報化が進んでいない中小の取引先が多い場合には,EDI接続をすべての取引先に広げることは困難だった。

 これらの問題を解決するWeb-EDIが登場したことで,電子的な企業間取引が一気に普及する道が開けた。接続先ごとに固有のシステムを構築する従来型のEDIに比べて,Web-EDIはシステムを一度構築してしまえば,参加企業が増えるごとに新たなシステム投資を行う必要がない。また,取引先の企業はインターネットに接続したパソコンなどの端末さえあればWeb-EDIに参加できる。情報化が進んでいない中堅・中小企業にとっても,敷居が低いシステムだ。

 大手電機メーカー以外でも専門商社や量販店など,Web-EDIを導入する企業が増えてきた。すべての取引先とWeb-EDIで接続する計画を持つ企業も多い。その1社が,「ベルメゾン家族」などのカタログ販売で有名な通販最大手の千趣会(大阪市)だ。

(井上 理)